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紀の川流域委員会NEWS!


第9回 紀の川流域委員会

日時: 平成14年6月12日(水)
14:00〜17:00
場所: JAビル本館 5F 大ホールA室
国土交通省近畿地方整備局

平井所長(国土交通省近畿地方整備局和歌山工事事務所長)
   それでは、前の画面でご説明させていただきたいと思います。

  <<資料−2 説明>>

中川委員長
   今、対象洪水を3段階で仮定していただいて、それについて、河道のメニューすなわち、治水上、築堤によって堤防を強化するあるいは、掘削をやる、あるいは狭窄部の対策をすると、3つの整備をやった場合の氾濫、被害がどういうふうに変化していくかというようなことをわかりやすい図面でお示しいただいたわけです。今後、この様な洪水対策のメニューをいくつか出していって、それについてのご審議、ご議論を願うということで進めていきたいと思います。何か、ご質問ございましたらどうぞ。

養父委員
   築堤の場合の高さは上、中、下流、上から下へと同じなのかということと、もう一つは水が流れていくと掘っても、だんだんと土砂が堆積してきますが、どれくらいのスパンでこの掘削や維持管理をする必要があるのかをわかるように教えてください。

平井所長(国土交通省近畿地方整備局和歌山工事事務所長)
   まず、築堤の高さですけれども、場所によって違います。場所によって違うと言いますのは、最初の現状の時にご説明させていただきましたけれども、紀の川の洪水を管理するために計画高水位H.W.Lというのがあります。それに余裕高を加えた高さを築堤高としております。ですから、計画高水位という高さに対して、実際は、自然現象ですのでそれ以上の洪水が来ることがございます。洪水が川に収まるような整備を行い、なおかつ、例えば川を横断する橋や鉄道橋についても、余裕高を加えたもので管理しています。ですから、高さでいいますと場所で違いますけれども、例えば先ほど少し写真を見ていただいた高野口のところは5〜6mです。現状で暫定的に小盛ができている堤防もございまして、それは嵩上げしてその高さにする訳です。ですから、第1番の答えは、場所によって違いますけれども無堤の地区だと6〜7mくらいのイメージでかまわないと思います。それも上流に行くといろいろな要素がございまして、低くなります。
 それから後者の浚渫でございますけれども、浚渫のスパンというのは非常に難しいご質問であります。紀の川では過去に大規模な浚渫をやったことはございません。一部、例えば、川を掘削して、それを堤防材料に使うということはしましたけれども川のキャパシティを増やすことだけを目的に大きく掘削したことはございません。ですから、どれくらいのスパンでそれが維持できるのかという示顕がないのは事実です。事実だけを言いますと5年周期で200mピッチの横断測量や縦断測量を実施して、川の中、つまり水の流れている中の断面がどうなっているかを把握しています。それで、変化がどうなるかという監視はしております。

中川委員長
   はい、どうも

古田委員
   岩出とか小田とか藤崎の堰なのですが、堰は今のままの状態ということなのでしょうか。改築することによって、流量の変化というのは出てこないのでしょうか。その辺を素朴に聞きたと思います。

平井所長(国土交通省近畿地方整備局和歌山工事事務所長)
   計算では、そういう検討はこれから必要になると思います。しかし、今の計算では、堰がなくて、狭まっている状態で、計算をしています。ですから、堰の固定部がございまして固定部というのはコンクリートで固めた部分であり、そこは洪水が来ても基本的に動かないので、洪水にとっては阻害物になっておりますので例えばそれをなくした場合に、どれくらいの洪水が流れるかといった綿密な計算までは今回実施していません。たぶん委員のご指摘は上から見た時に堰があるところは狭まってますので、それぞれの影響についてということだと思いますけれど、もう少し綿密に検討しなくてはいけないと思っております。

中川委員長
   どうぞ。

江頭委員
   一部重複する質問になるかもしれません。今の洪水氾濫量の計算は、全開でやっているということではないのですか。

平井所長(国土交通省近畿地方整備局和歌山工事事務所長)
   例えば岩出井堰は固定部があって、ゲートがあるのですがそのゲートは全開にして、固定部はその断面をとって、専門用語で恐縮でございますが不定流計算をしています。まず一次元の不定流でその断面を追って、それを元に氾濫計算は二次元の不定流で追っています。

江頭委員
   先ほど掘削の質問がでましたけれども、今後、河川整備計画を考えていきます時に掘削で、治水安全度がかなり上がるということであれば、これは治水対策として、可能性のある対策だと思います。ただ、これも質問にありましたけれども、すぐに埋まるようであれば、問題ですので、土砂の問題も合わせて、そういうデータが出来次第、この委員会に提出していただきたいと思います。

中川委員長
   ほかに何かありませんか。

江種委員
   掘削延長が3つのパターンで200m〜2,000mまで違っているのですけど、これはどのように決まったのでしょうか。築堤も若干、変わっているような気がします。これはどういうふうに決められたのか教えていただけますか。

平井所長(国土交通省近畿地方整備局和歌山工事事務所長)
   それぞれ対象降雨が違いますと氾濫ボリュームが違います。要するに危険な箇所が違ってきます。ボリュームというよりも箇所の方がいいと思います。まず、これはどうやって計算させていただいかと言いますと、それぞれの断面でどれくらいの量が流れるのか、今のある地点でどれだけの実力があるのかというのを出しておきます。それで、それに基づいて、上流からそれぞれの洪水を川に流してみます。当然、大きな洪水を対象とした場合には川のキャパシティは現状でございますので、今の実力以上の箇所が増えてきます。ということで、当然危ないところと危なくないところの量が対象洪水によって違ってきます。それをまず、チェックしておいて、氾濫計算をするわけですけれども氾濫計算は、実力のないところについて破堤をさせていきます。実際に堤防があっても実力がなかったならば、そこが壊れたならばということで氾濫計算をしています。ややこしい計算で恐縮ですが、危ないところのそれぞれのブロックで堤防がないものとして、計算し、それを最大フォローアップして、氾濫計算を結果として示しております。ですから、ダイレクトにお答えしますと最初の洪水量が違いますので、危険箇所の量が違ってきています。ということです。

中川委員長
   他にございませんか。

湯崎委員
   築堤と掘削をしても、例えば、貴志川の下流域の岩出橋の辺は氾濫状況がほとんど変わっていないのですが、そういった場合にはどういう案があるのでしょうか。

平井所長(国土交通省近畿地方整備局和歌山工事事務所長)
   他の案もあると思いますが、すぐに思いつく案としましては、例えば下流でやっている紀の川大堰事業のように新六ヶ井堰というのが支障になっていますので、新六ヶ井堰を撤去して、従前の機能を持たせつつ川幅を広げるということです。他にも方法はあるかもしれませんが、一番安易にというかすぐに考えられる方法としては岩出井堰の固定部、つまりコンクリートの部分を除去します。ただ、岩出井堰の機能というのは治水だけではございませんので、堰の機能は持たないといけない。さらに、問題になるのがあそこは上流下流でものすごい狭窄部になっていますので川幅をひろげなければなりません。ただ、先ほど養父委員からご質問がございましたけれども、堰の固定部のコンクリート部分を除去することによってどれだけ流れるのかというチェックが必要だと思います。その上にたって、今の狭まっている部分をどれだけ広げればいいのか、もしかしたら広げなくてもいいのかというさらなる検討がいるかと思います。

中川委員長
   よろしいですか。

養父委員
   もう一つ質問です。この治水対策の中に築堤と掘削と、それ以外に昔の遊水地みたいな場所があって、水があばれた時に適当に囲っていた場所があったのだろうと思います。もちろん、土木的な方法で解決するということも、重要なことだと思いますが、その様に歴史的に見て遊水地になっていて、今も担保ができるような場所があるのではないでしょうか。洪水というのは人命や資産を破壊したりするわけで、大変なことなのですが、例えば今、水田であったり、あるいは湿地になっていて、土地利用が非常に難しいというような場所で担保出来そうな場所が流域にあればこの中に含めて検討材料に入れていただいた方が、将来的に河川整備計画を考えていくときに、選択肢が増えてくるのだと思います。

平井所長(国土交通省近畿地方整備局和歌山工事事務所長)
   ご指摘の点については、仰せのとおりだと思います。最初に、説明の前提条件として、少し述べさせていただいたように「築堤や掘削以外の方法も多種あります。」ということがまさに養父委員のヒントだと思います。他の方法のいくつかの例示として養父委員がおあげいただいたのだと思います。今日の計算は、目標の流量という意味でそれぞれ3つのパターンを同じレベルで計算してみました。さらに目標流量等の皆様のご意見がつまっていればその中でさらにそのバラエティについて検討すべきだと認識しています。

中川委員長
   はい、どうぞ。

梅田委員
   ちょっと教えていただきたいのですが、岩出の非常に狭い部分というのは貴志川と紀の川の合流地点でしょうか。そこはかつて景勝地でして、吉宗も昔遊んだという場所です。そこは岩場であり、岩に全て名前がついています。それでも、削ってでもやった方がいいのでしょうか。

平井所長(国土交通省近畿地方整備局和歌山工事事務所長)
   現地視察の時にそういう説明をさせていただいたと思います。このあたりは御殿山と言いまして、昔吉宗が幼少の頃ここで育ったと言われています。先程、養父委員や江頭委員からご質問があったのはこの堰のどこまで掘削したらどうなのか、さらに川幅を広げたらどうなるかというご指摘であり、なおかつ梅田委員からは掘削でも簡単には掘削できないのではないかというお話がございました。ですから、まずこの岩出の問題について、治水上何が問題なのか。さらに、広い意味で環境と認識しましたけれども、その対策上で、それが本当に実行可能なのかどうなのか。もっと他の岩出井堰の部分のオルタナティブがあるのかないのかというのは検討すべきではないかと認識したところでございます。

中川委員長
   今日、河川整備のいくつかのメニューによって治水の安全度を高める概略の方向性を示していただいたわけですが、梅田委員たちのいくつかのご意見があったように、例えば工事を行うとそれに対して河川環境上いろいろ問題が出てくると思います。先程の紀伊丹生川ダムにも当然そういう議論はでてくるわけです。これも場所や問題点の箇所もわかっているわけですから、それについて、次回に具体的な治水対策を行うと、河川環境の上でどのような問題が起こるかを説明していただいて、それについてご意見を賜れば非常にありがたいと思います。だから是非そういう説明資料を用意してほしいと思います。

神吉委員
   もしかしたら紀の川流域委員会とは、直接関係が薄いかもしれないのですけれども、いつも気になることがあります。紀の川自体は今言ったように伊勢湾台風並にも対応できるよう防災性が進んできているという話ですが、岩出の根来川などの紀の川に流れ込む支川は、強い雨の時結構増水したりしていて、このような市街地の中の河川が危なくなってきているのは事実です。市街化が進んで田圃とかが少なくなってきているのもあって、地元の方も危険に気づいておられる所もあります。根来川は改修計画もあったと思います。紀の川が氾濫しなくても、実はそういう支川で氾濫がおこる可能性があります。市街地の中の洪水は、ここでその話をできるのかどうかわからないのですが、紀の川が大丈夫だから「流域の皆様100%安心です。」とは言えない実態なのです。ですから、是非流域市町村に声をかけて、いわゆる「防災のまちづくり」の観点で、日頃から街のなかでもリスクを分散して、ひどい状態にならない工夫をしていただくということを投げかけていっていただきたいと思います。そういう意味で先ほどの遊水地のようないろいろな話について、できるだけいろいろな資源をピックアップして地元でも考えていただくように声をかけていただきたいし、そういう方向での提案ができるようなことを是非期待したいと思っています。

岩畑委員
   いろいろ説明をお聞きしたのですが、ここはやはり旧建設省最後の審議会の答申にもありましたように治水氾濫型の工事対策を考えるということで大きな意識転換をはからないといけないと思います。これは整備局の方々だけではなく、我々、一般市民の流域に住む者にとっても、こういう治水対策が望ましいと思います。今ここでも報告があったように、何かと言えば岩を壊す、土手を壊す、と非常に破壊的です。私は性格的に言葉が非常に破壊的、攻撃的なところもあるのですが、自然を破壊するというのは非常にいたたまれないのです。だから、そういうことではなく、整備局は「治水氾濫型を目指す。」ということを言っていますので、やはり洪水と共存する治水を整備局ならびに我々市民もその意識にたって、これからの洪水対策を考えなくては駄目だと思います。従って、それに基づいた遊水地の意見が先程から出ていますけれど、そういった案も出していただいて、そして、すぐに実現可能なことがどういうことであるのかということの審議に入っていただければいいかと思っています。

中川委員長
   他にございませんか。
 それでは次回までに私の言ったような資料を用意していただきたいと思います。


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