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紀の川流域委員会NEWS!


第5回 紀の川流域委員会

日時: 平成13年11月2日(水)
14:00〜16:30
場所: 橋本商工会館
8F 大ホール
国土交通省近畿地方整備局

中川委員長
   よろしゅうございますか。それでは、次に進ませていただきます。前回及び前々回、つまり、3回、4回は皆様に現地視察をしていただきました。第3回は紀の川の直轄区間内をずっと視察していただいて、第4回は大滝ダム及び紀伊丹生川ダムのダムサイトを見ていただいた訳でございますが、これらを通じて今後の審議をいたします上で何か皆様がお気づきになった点、あるいはそれについてのご意見、あるいはご提案、そういうものがあればお聞かせ願えればありがたいと思います。ご自由にご意見を述べていただければ、印象でも結構なのですけれども。どうぞ。

神吉委員
   神吉です。私、第4回の方に参加させていただいたときに、いろいろご説明があった中で一つだけすごく印象が強いのが、紀州藩の時代から遊水地というか危ないときには水没するかもしれないところとして、田畑でずっと残していた地域に、最近都市化で住宅が建ったり、果ては病院まで建っています。そのため、遊水地地区としての機能が期待できないので、その分ダムに課せられた洪水防止機能は強化しないといけないのだというような話をされたような気がしております。どこの場所で聞いたか覚えてないのですが。私はもともと都市計画の出身なので、そういう話を聞くと非常に気になるのです。本来はそういうのは都市計画で、ここは危ないから少なくとも公共的な建物は建てない方がいいというように、都市計画の方で指導すべき内容なのです。いろいろな制度の問題もあってやりにくいというのも現実にあるのですが、私自身は、それを全部河川側で負担し、水量の調節等々で洪水調整しようとするのは、かなり背負い過ぎだと感じています。今回、かなり新しい試みで河川計画をこのように進めるのであれば、その流域の都市計画を担当される県とか市町村の方に、危険そうなところについてはできるだけ情報提供して、ここは危ない可能性があるところなんですよという都市計画上の指導をしていただくようなことを一方で期待したいところがあるのです。私自身は、そういう方面には常々こういう意見を申し上げているのですが。例えば浸水しても人の命だけは大丈夫なように住宅地にはしない等、やはり今後連携していく方向でぜひとも考えていただきたい。山の開発が進んで流出量がふえるような問題とかに関しても、むしろ河川側からの意見としてこういう様な都市計画を望みたいという意見を出していく方向で今後は考えていただきたい。都市計画の方できっちり仕事をしてもらうためにも、そういうことをぜひ意見として出していただきたいと思います。個人的には、全部河川で負担しないで都市計画にも応分の負担をしていただくように持っていってほしいと思います。

中川委員長
   今のご意見に対して、行政の方から何か答えはありませんか。私も堤防が非常に印象的でした。どこだったか。堤防が完成したらその裏が全部宅地になっている。私有地だとは思いますが堤内地の土地に対して河川管理者として土地利用規制とか、その他の規制をかけられるかどうかという問題があるのでしょうが、そこらの利用方法についてどこが隘路になっているかを説明願えますか。河川堤防を整備した側からすると、ある程度そこを遊水地的に残したいと思っても、堤防ができたがゆえに安全だと解釈され、すぐに宅地になる。そういったことについて、何かコントロールできるかどうか。

坪香部長
   今、委員長が言われたことに対するお答えになるかどうかわかりませんが、一般的には堤防が未整備なところで、遊水地であるために農地等に利用されているところについては、沿川の自治体等、地域は、できるだけ利用したいという要請が強いのが全国的に普通だと思います。従って、普通は堤防をつくってそこを利用しやすいようにしていっているというのが今までのやり方であるのも事実です。それから、主権を制限するということになりますので、法律的には条例をつくって、そして危険区域にして、家を建てるときにはかさ上げをして建てる等、そういう形で整備しているところもあります。ただ、そういう中でも、市町村とかの全体の行政の中での土地利用として規制が可能かどうかというのは、自治体等場所によってかなり異なっているというのが実態だと思います。ですから、そういうところについてはかなり制限をしないと、なかなか難しいと思います。

中川委員長
   どうもありがとうございます。

梅田委員
   遊水地というのは、個人の使用ですか、それとも国ですか。

坪香部長
   お答えします。歴史的に河川というのは、堤防がある時点で全部できた訳ではありません。従って、堤防のないところで私有地として、従来から浸水していたというところもあります。そこも含めて遊水地という場合があります。ただ、最近我々普通に遊水地と言っているのは、周りを堤防で囲いまして、浸水するところを制限して、河川管理者の方で買収あるいは地上権を設定して利用の制限をした上で、ある程度計画的に洪水を氾濫させる。そういうところを遊水地と言っている場合が多いです。

梅田委員
   橋本市の遊水池の場合、紀伊丹生川に上がる右側に見えたところに病院が建っていたのですが、ああいう建築の許可というのは、どういうふうに、どういうところが許可をされたのでしょうか。

平井所長
   建築許可は行政庁といいまして、基本的には市で、大きいものについては県と思います。先ほどお話がありましたように許可するかどうかは、その審査をするときにそれぞれの自治体の土地利用に関する経営計画等々において、ひとつの水害という視点で見るかどうかというのはそれぞれの自治体の裁量になっております。それ以外のことの方が要因が大きいと思います。基本的に自治体でございます。

中川委員長
   どなたかほかにございますか。どうぞ。

岩畑委員
   現場視察と少し違い、先程の大滝ダムの件で申し訳ないですが、確認しておきたいので。この紀の川本川の大滝ダムの効果ということで、これを治水論とする訳ですか。この34年9月にのっとって、説明していただいたのを治水論として始めるのですか。

平井所長
   あくまでも現状を説明させていただいているところでございます。治水、それから本日、利水。治水をどうしようか、計画をどうしようかということについては、私が発言することではないかもしれませんが、皆様に課題を言っていただいて、それからどう対処としていくか。それがそういう方向になるか、皆様のご意見賜るかと思います。34年というのはたまたま前回の資料の中でご説明させていただいたので、大滝ダムの効果として本日、ピックアップして説明させていただいたというものでございます。必ずしも今後整備計画をつくる際の前提になっているのではないと我々は考えています。

岩畑委員
   そしたら、少し表現が悪いですけど、前提じゃなくて、要するに来年、完成する訳ですから、これで一応治水ができると、治水が成り立つというふうに考えていい訳ですね。

中川委員長
   私が答えたらいいのですね。僕は、実は岩畑委員がおっしゃっているのは、基本計画の基本高水の16,000m3/sを対象にした洪水について、大滝ダムの効果を入れて、かつこれから何年かかるか知りませんが堤防の築堤が終わって完成し、なおかつ掘削とかそういうものの河道整備が全部できるということを言っておられる訳です。確かにこの時点で、要するに今の基本高水に相当した改修は終わるとこういうことなのですが、整備が完了するまでの間に不足する分は、今の時点では例えば紀伊丹生川ダム、こういうものをプラスしていくものと位置づけている訳です。ところが、今ここでははっきり言ってこれから20年から30年先にわたる河川整備計画を諮問されている。それに関する整備計画をここでつくって提案するということなのです。そうなりますと、今申しましたような例えば150分の1のような確率雨量を対象として計画を立てるということになると、これまた議論の余地があります。例えば先程説明があったような実績最大降雨は伊勢湾台風なのですね。伊勢湾台風そのものを既往最大ではちょっと不安であれば、例えばその1割増しだとか、あるいは2割増しだとか、そういうような考え方もあり得るだろう。そこで、そういう議論をした上で、例えば、我々が計画の対象とする洪水を今言った30年ぐらいを見通した整備計画の中で議論をしていくのか、その対象洪水をどれぐらいのものにしたらよろしいかということを一度、皆様議論をしていただかなければなりません。その中で選定し、それに見合った整備計画、あるいは対策を議論していただかなければならないということなのです。だから、恐らく基本高水の問題を取り上げてこれを議論していき出すと、実際できるのは100年先になるかどうなるか分からないと思います。それでは、一向にこの委員会としての目標とする20〜30年先の議論ができないと思います。例えばの話、これでいいかどうかは別ですけど、現在、河川改修を行っていますね。これを30年続けたときの河川の整備あるいは治水の安全度、そういうなものを我々が予測する。そのときにどれぐらい費用がかかって、その効果がどれぐらいある。そういう議論をすること自体が一つの課題だと思う。もしもそれで氾濫するとすると、その氾濫の推定を行って、その防止対策としていろいろな方法を検討し、その議論の中で、例えば新しいダムによる洪水調節というのも一つの選択肢としてあり得ると思います。流域委員会でやっていただきたいと思っているのは、その議論なのです。更に、先程大滝ダムができると再来年から供用が開始される。それであれば大滝ダムの洪水調節、これをどういうふうに運用したらいいのか、そういったこともここで検討していかなければならないと思います。そういう議論をずっと積み重ねてつくっていけばどうかということです。

岩畑委員
   今、中川委員長の説明が広域で漠然としか僕に理解できないのです。一度、基本高水とは何であるかとか、150分の1とか、その辺の基礎知識を我々が持てるように具体的に説明していただけないでしょうか。それと今20年ないし30年がこの委員会の主目的であるということですが、私が第2回のときにもらった大滝ダムから紀の川大堰までの洪水調整の治水論を図式化したこの資料ですけれど、これで一応治水ができるということで考えています。この辺のところの説明、つまり、5,400m3/sから大滝で2,700m3/sが調整できて、後の分もどこどこへ調整する云々ということですね。それらについて今回とは、別にして機会を持っていただいて、説明していただけたらと思います。

中川委員長
   先程、事務所の方に私から求めたのはそこなのです。どういう雨を根拠にしているのか。大滝ダムは、今おっしゃった5,400m3/sを2,700m3/sにするとか、6,000m3/sを3,000m3/sにするとか、それがどういう降雨パターンであるのか。それによって大滝ダムの洪水調節容量をどういうふうに利用するかで決まってくる訳です。ですから、それは次回までによく調べて、説明してほしいです。後程、そういった議論に対する今のところの流れを今後のこの委員会の進め方として、行程の私案をお話ししたいと思います。その過程で、もちろん基本計画に織り込まれた現行の整備計画、これの議論もしていただく。その中には当然紀伊丹生川ダムの計画があるので、それの必要性とかいろいろな問題点を議論して、その上で私が言ったように20年なり30年の河川整備計画を考えるにはその基礎となる対象洪水、例えば降雨のパターン、それを何で選ぶかという議論をして、そこから選択していただいて、それに基づいて具体的な治水対策をご議論願う。こういうことをやっていけばどうかなと思っているのです。次に20〜30年の間に整備されてかつ非常に安全度の高い、あるいは利水の安定度が非常に高く、環境が完全に保全される。そういった観点から議論をいただくような具体的案にもいろいろな面から見ますと幾つか選択肢が出てきます。例えば環境から見たらこのようなものは駄目だ。あるいは治水から見ればこれはちょっと無理だ。経済的な面から見ても駄目だとか。幾つ出るか知りませんが4つか5つ。皆様ご議論いただいて、考えていただく、同じ問題に対しても出てくると思うのですけれど。その中で、非常に妥当な案を議論の結果選択していただいて、それでいわゆる委員会としての原案をつくる。こういうことで進めていったらどうかと思っているのですが。どうぞ。

岩畑委員
   ちょっと理解できたような、できないような、分かりにくいのです。何か漠然と。今、委員長の方から紀伊丹生川ダムの話も出ましたが、20年或いは30年内にはこのようなものは必要性がないもののように聞こえるのです。何かちょっと漠然とね。だから、あくまでも20年或いは30年内の治水の話をやっていくうちの選択肢の一つであると。だから、近々においてこういう計画はさほど必要がないというような、ニュアンス的に感じます。

中川委員長
   それはこれから議論していって、例えば先程言われたように岩出井堰とか、あるいは藤崎の堰とか、あれらを見ていますと堤防、つまり、完成堤ができているのだけれども、完成堤ができていても疎通能力が足りない訳です。大滝ダムができても足りないのではないのですか。先程の説明で能力不足のところがあったと思います。そういうことを考えるとそれにかわる、或いはそれをカバーできるような対策は、20年、30年先にも何か必要なのです。先程の説明は、既往最大の実績洪水について検討している訳ですから、計画の洪水と違う訳です。基本高水を対象にしたものと違い、それよりずっと小さいのです。それでも能力不足のところがある。そうすると、例えば極端なことを言うと藤崎の堰、あるいは岩出の堰、あれを全部幅広げて改修しないといけないということになる訳です。そういう議論も恐らく出てきます。それでご理解いただけると思うのです。

江頭委員
   現地視察の感想を言わせていただきますと、紀の川には農業用の取水堰が非常にたくさんあり、それらから非常にインパクトを受けました。ここは、元々、紀州藩の時から田んぼをどんどん造ったために取水堰が古くからあった訳ですね。そういう川を見ていない人にとっては、人工の川というのですか、変な川に見える訳です。地元の方は、「紀の川に取水堰があるのが当たり前だ」という見方をしておられるのか、「ああいうものがないのが川らしくていいのだ」という見方をしているのか、実際に現地の方とお話したかったのですが、それができませんでした。もし、この委員の中で取水堰を小さいときからずっと見てこられて、これが河川景観の中の重要な構成要素になっている、あるいはそれが紀の川の姿だというようなことがございましたら、ご披露願えればと思うのですが。

中川委員長
   どうぞ。

小川委員
   小川です。私は地元なのですが、今日のお昼に橋本の向こうの堤防のところを走っていて、今おっしゃられたとおりのことを思いました。ちょっと不自然ですよね、紀の川は。しかしながら、私が子供のころから見ていた紀の川は割とこんな感じだったかなとか思ったら、不自然な川を見て「ああ、これが紀の川や」という感想をまさに今日、持ったのです。でも、その私でも大滝ダムとか見たときはもっと不自然な感じがしたので、大滝ダムは少し行き過ぎてるのじゃないかなという感想を持ちました。ということで私は、自宅が小田井の堰の近くなのですが取水口とか、いろいろな堰とかに関しては、余り違和感とか嫌悪感とかを持っていないです。

江頭委員
   ありがとうございました。

中川委員長
   ほかに何か、それに対してご意見ありませんか。そんな違和感を感じているというような人。

梅田委員
   なれがあるのです。なれるのですよね。だから、小さい時から見て、それが当たり前だと思って育っていると。実はおととい椿山ダムのところを通りましたが、あれは初めからずっと見てきた訳なのです。何か非常に落ち着いた風景になっている訳なのです。ほかに、古座川の奥にもダム湖があるのです。これは桜が非常にきれいで、それが私の知っている古座川の上流のダムであります。だから、今の取水口に違和感があるかないかというと、今になっていろいろできてきて考えられますけれども、小さいときはそれが何やらわからないと思うのです。なれというのはこういうことです。なじんでくるというふうな言葉もあると思います。


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