―平成19年度―

■紀の川大堰関連魚道調査・速報（6月）

1．調査実施内容

●今回調査では、紀の川の渇水に伴ってデニールボックス付バーチカルスロット式魚道が閉鎖されたため、調査対象外とした。

表1　調査実施内容

注）調査時間は7：00〜21：00である。

2．調査方法

●遡上魚調査

魚道の出口付近（上流端）に箱型トラップを設置して、遡上魚を捕獲し、魚種や遡上数を把握した。

なお、調査にあたっては、遡上を完全に妨げないように魚道の1/3を開放し、目視調査によって遡上数の補正を行った。また、捕獲した個体は、調査後速やかに放流した。

●魚道周辺の魚介類調査

投網・タモ網・カニカゴを用いて、魚道入口および中間付近にみられる魚介類の把握を行った。

3．調査結果

確認された魚介類の個体数および種数について、各魚道の内訳を表2に、一覧を表3に示す。

●魚道周辺で確認された魚介類は合計19科40種で、うち遡上した魚介類は合計5科8種であった。

●遡上が確認された魚介類は244個体である。そのうち最も多く遡上したのはモクズガニの132個体であり、全体の約54％を占めた。モクズガニの遡上は前回同様、左岸の人工河川式魚道で多かった。

●アユの遡上は、今年度調査では最も少ない合計19個体であった。（図1）

表2　各魚道にて確認された魚介類の個体数および種数

　　　注)（　)内は、箱型トラップおよび目視により遡上が確認された魚介類の個体数
注）デニールボックス付バーチカルスロット式魚道は、紀の川の渇水に伴い閉鎖

図1  アユ遡上数の変化（今年度）

4．各魚道の状況

デニールボックス付 バーチカルスロット式魚道	人工河川式魚道	階段式魚道