1.今後の紀の川の河川整備に向けた説明資料(直轄管理区間)について
河川管理者から「今後の紀の川の河川整備に向けた説明資料」と「紀の川大堰の必要性等」に
ついて説明があった。主な内容は以下のとおり。 |
- 今後の紀の川の河川整備に向けた説明資料
- 河川整備計画作成の目的
- 紀の川流域委員会の経過
- 紀の川河川整備計画原案の策定に向けた流れ
- 今後の紀の川の河川整備に向けた説明
- 紀の川大堰の必要性等
- 治水面からの必要性
- 利水面からの必要性
- 環境面からの必要性
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それらの説明に対する主な意見は以下の通り。
- 慈尊院地区は、環境マップに世界遺産や史跡の場所等を記載してほしい。
- 意見聴取の結果、地域住民の連携について色々なアイデアが出てくるが、紀の川の河川整備にすぐに載せれないものもあると思うので、今後の新しい取り組みに向けて、検討していけるようなプラットホームも必要である。
- 「縦断方向の連続性」は、生物移動の連続性の観点でまとめているが、魚道については、「生物の生息・生育の場」と「生物移動の連続性」でまとめたほうが良いのではないか。
- 情報伝達の記述は、もう少し分かりやすく内容を増強して欲しい。
- 環境を整えるという意味で樹木を植えるということはできないのか。植樹基準では、高木については根等による悪影響があるため堤防から離す必要がある。
- 森林環境が壊れると水や土石の出てくる量が多くなるので川上村での源流域を守る取り組みも含めて、森林環境を十分に考えてほしい。
- 自然再生と環境学習をどのように繋げていくかが課題である。
- 将来のあるべき姿として紀の川の特性と流域全体をにらんで、河川整備計画の枠外である森林保全、土地利用のあり方や県管理区間の整備促進等について、委員会としての提言を提出したい。
- 生物の連続性や河川景観等は、これまで総合的な連続性で息づいてきているため、支川等も含めた直轄管理区間外との連携を含めながら考えて欲しい。
- 洪水時の放水における省庁間や流域住民への連絡体制において問題が生じているが、今後どのように対応するのか。
・放水時の連絡体制については、情報交換等を実施しているが、現在、農林水産省と大滝ダムも含めて協議をしており、今後も引き続き連絡を行っていく。
- BODは有機物の状態であるが、硝酸やリンは堰やダムで溜まると有機物に変化するので、堰やダムによる影響についてモニタリングする必要がある。
- 紀の川大堰の上流部には、人口増加地域である岩出町があることから、下水処理対策等の実施においては、関係機関との連携が重要である。
- 岩出井堰は、現在、農林水産省の所管であるが、改築すると農林水産省と国土交通省の所管になるのか。
・改築する事業主体については現在何も決まっていないので、今後の協議による。
- 環境基準値は、水道水の観点となっており、紀の川の環境の観点からも検討すべきである。
- 狭窄部の堰の改築等は、精度は粗くても良いので費用対効果等の評価を載せてほしい。
- 河川管理者としては、本日の資料を基に自治体や住民の意見聴取を実施し、本日の委員会の意見と後日提出される委員からの意見を踏まえて次回委員会に第2稿という形で案を提出したい。しかし、パンフレット等に関するような基本的な事項については、この場で議論を頂きたいと思う。
→意見については、今月中に提出してもらい、それに基づいて修正したものを説明資料にしたいと思う。
- 委員の意見を頂き、修正するものしないものについて、その理由を次回委員会資料に付ける。
- 住民意見の聴取は本日の資料を基に実施し、次回の委員会は今日出た意見や後日の意見を基に修正された第2稿について議論し、整備計画ができていくという理解でよいのか。
→第2稿の議論や中身に応じて、必要な場合は、再度、自治体や住民の意見聴取を実施することも考えられる。
- 流域委員会として、整備計画に対する意見を答申の形にまとめなければならないのか。
→特に形を決めている訳ではない。例えば、委員会の意見として河川管理者に渡す意向であればそのような整理でも構わない。或いは、委員会の審議の中で河川管理者が意見を聴取して整備計画案ができているという認識でも構わない。
2.関係住民の意見聴取について
神吉委員(意見聴取検討会座長)から「意見聴取検討会の提案書」という形で説明があった。主な内容は以下のとおり。
- 効果的な聴き方の方法について
- 河川整備計画原案を案内する方法について
- 河川整備計画原案を効率的に理解して頂く方法について
- 意見聴取のフォローアップについて
それらの説明に対する主な意見は以下の通り。
- 関係住民のアンケート対象者は、流域近くの県外の意見は聴くが、県内の意見を聴かないという矛盾が生じる。
→流域内全戸配布を目指そうとしていたので、数の調整を見てどれくらいできるか検討が必要である。
- アンケートのスタートから終わりまでが1ヶ月強であるが実施出来るのか。
- アンケートの期間は、これまでの経験であまり長い期間を設定しない方がいいと考えている。ただ、年末から1月までの忙しい時期になっているので多少の懸念はあり、検討が必要である。
- 地域住民の方がどれだけ、紀の川のことを知っているかが重要である。紀の川についての説明用テレビ番組をつくってはどうか。
→テレビ番組は、費用と効果、地域の点で困難であると考えている。
- アンケートやパンフレットについては、検討会で主体性を持って、取り組んでもらいたい。
→検討会の責任は、本日の報告までであるが、資料の作成まで取り組む。
- 植物の写真等、プロの目で見ていただきたい内容もあるのでアンケートやパンフレットは委員に送付して意見を頂くというステップを踏みたいと考えている。
→アンケート等は、2週間を目処に作成し、1週間でチェックして頂くというスケジュールで考えていきたい。
- 流域外の人に配布するのは何を調べたいかが重要である。
→治水等の直接的に関係があるのは、住んでいる住民であるが、環境を享受されている人(遊びに来ている人)は、大阪府の人が多いので、重みは違うが意見を聴くということである。
- 意見聴取は、効果と費用が重要であるので、膨大な費用をかけて実施する必要はないと考えている。
- 紀の川を利用している人に直接配布したら、回収率が上がるのではないか。
→手配りをするとアンケートの精度がかわるので流域の人々と同じような集計できなくなるがそれを承諾するのであれば有効であると考えている。但し、同じように集計するのであれば、同じ方法での配布にする方が良い。
- 流域内と外では、期待度が違うので流域外の人に意見を聴くのはいいと思う。
- 配布方法としては、参加したい人は各事務所に用紙をもらいに行くというのもひとつの方法だと思う。
- ポスターを自治体等に掲示してもらい、必要な人には、資料を請求してもらって、記載してもらうというのはどうか。
- 自然というものを学習しにくる人が多い施設等の利用者に協力を依頼して、投函してもらう方法もある。
- 紀の川に釣りに来る人等のパ−ソナルな繋がりの範囲に限定しないと線引きが困難になる。
- 知らせる媒体は具体的には決めていないが、膨大な費用にならない範囲でできるだけ多くの方法を用いた方が良いと考えている。
- アンケートの内容を河川整備計画に反映させる内容が思いつきにくいのでその中身を委員に確認してもらう方がいい。
3.次回の開催内容について
次回の開催内容については、次のとおり。
- 河川管理者が次回の委員会までに関係自治体及び関係住民の意見聴取を実施し、本日の「今後の紀の川の河川整備に向けた説明資料」に対して修正したものと関係自治体と住民に対して意見聴取した結果について審議したい。
- 次回開催日は、2月〜3月の間で開催したい。
- 開催場所は、和歌山市内で開催したい。
4.その他
- 小川委員から「イタリアでの地滑りの資料を郵送してほしい。」と要望があった。
・河川管理者の方で調べるとともに委員長とも相談しながら送付する。
5.一般傍聴者からの意見聴取
- 住民の意見を聴取するということであるが、その結果は、インターネットだけでの公開になるのか。その他の公開方法も考えているのか。
→どこまで乗せるのか何段階か考えられ、概要は広報誌等で、詳細についてはインターネットや出力資料提供での対応を考えている。
- アンケート集計の結果を知りたいので公表してほしい。
- 岩出に新しい堰をつくる理由を教えて欲しい。新規の利水目的でつくるのか。
・現状の紀の川の課題を解消するために治水、環境の面から必要である。新規の水利のために改築が必要な訳ではない。
- 堰を改築する場合は、税金を使うので、流域住民だけではなく、国民全体が納得できるようにしてほしい。外国では、遊水地という考え方が定着しているのでもう一度検討してほしい。
この議事骨子は、委員会終了後に速やかに審議内容が公開できる様に取りまとめたものです。従って、今後議事の詳録を作成する上において、修正等が加わることがありますが、その際は、ホームページ上で修正箇所等を明らかにした上で再掲載を行いますのでご了承下さい。 |
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次回、第19回紀の川流域委員会は、来年の2月頃に和歌山市で開催される予定です。詳細は、決定次第ホームページに掲載します。
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