1.組織及び運営方針について
委員長から紀の川流域委員の組織及び運営方針について説明があった。説明の内容は以下のとおり。 |
- 委員会委員の再任について
- 上本委員の後任について
- 江種委員の留学中の取り扱いについて
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決定事項は以下のとおり。
- 委員会委員の再任について
→全委員について、引き続き委員会委員 を再任する。
- 上本委員の後任について
→委員会の方針としては、上本委員の後任の方にお願いする。なお、後任の方の承諾を得た 後、近畿地方整備局長に委員会委員として要請する。
- 江種委員の留学中の取り扱いについて
→留学が長期に及ぶと言うことで、委員を解任し、後任委員を選定する。
→選定基準としては、「紀の川の瀬切れや水質等問題」について対応して頂けてかつ、紀の 川の水質に精通している学識経験者を選定する。
→複数候補者を選定して次回委員会にはかる。
→複数候補者の選定は、委員長一任。
→委員候補の選定審議にあたっては、個人名等プライバシーに関することが想定されるの で、非公開で行う。
→委員会候補選定審議が終了後、公開で次回流域委員会を行う。
2.大滝ダムの状況について
河川管理者から大滝ダムの状況について説明があった。説明の内容は以下のとおり。
- 大滝ダムの試験湛水の経緯について
- 平成15年3月17日より試験湛水を開始
- 平成15年5月11日に白屋地区で変状が発生し、試験湛水を中止
- 平成15年5月14日に専門家による現地調査を実施
→専門家の現地調査による見解は、原因は直ちに判断できないが、脆性破壊に至る可能 性は低いと考えられる。対策として、適切な貯水位管理、伸縮計およびクラックゲー
ジなどを設置し、状況の把握に努め、情報を公表している。
それらの説明に対する主な意見は次のとおり。
- 道路、民家、山は具体的にどうなっているのか。
→一部、生活に支障を来しているところもあり、住民の避難体制等の応急処置を実施してい る。
- 緊急を要することから専門家による調査と対策を早急に行い、さらに長期的な対策の検討が 大事。
3.紀の川河川整備計画立案に向けての考え方について(治水編)
河川管理者から紀の川河川整備計画立案に 向けての考え方について(治水編)について説 明があった。説明の内容は以下のとおり。
- これまでの流れ
- 量的安全度の確保
- 堤防の信頼性の確保
- 危機管理対策
それらの説明に対する主な意見は次のとおり。
- 堰の上流部の土砂を下流に移動させれば治水効果が期待されるが、可動堰に土砂がかぶるこ とが心配される。
- 藤崎の対策において、土砂吐きを両側に付ける発想はよい。
- 土砂の移動は水位に影響を受けるため、非洪水期や小洪水にも土砂を動かせるような運用の 検討が必要。
→土砂吐き機能については、今後、対策を実施するに当たり、更に精査をしてどのような効 果が期待できるか検討したい。
- 橋本市域においては、岩盤部による上流への堰上げという認識でよいのか。
→マウンド部(岩盤部)から堰上げが生じている。
- 土砂移動を促すと輸送能力のないところに土砂が溜まることから、土砂供給も含めた検討が 必要である。
- 岩出町から和歌山市までの瀬切れの問題は、土砂が流下すれば解消するのか。
→土が溜まっているところは河床変動により、多少の効果は期待できても、水量の問題であ るため、直接的な効果は期待できないのではないか。
- 堰改築は可動堰で考えているが、どのように運用するのか。
→誰が管理するのかというのは今後の話であるが、河川管理者としてモニタリングしなけれ ばならない。
- 井堰の利用実態の変遷があるのかどうかを含めて、改築のサイズを考える必要があるが、従 前の機能を保持すると理解して良いのか。
→井堰は許可工作物であり、農林水産省の施設である。治水上の必要性から改築としている が、施設管理者との協議はできていない。
- 掘削時の大量の土砂をどう管理するのか。
→大規模な掘削を伴う場合は、一般的には、道路や宅地開発等の他事業との連携を考えて管 理する。
- 全体として河口部までどのように土砂を排出していくのか、マスタープランを作成し、途中 経過の予測が必要である。
→整備計画の対策メニューについては一次元解析の検討を行ったわけであるが、対策を実施 するにあたっては、河床材料を調べて二次元解析等の予測検討が必要である。
- 対策メニューの選定において、流域住民がどう考えているのかを反映する必要がある。
- 予測できない洪水もおこるので、ソフトの運用も考え方の中に入れた方がよい。住民の意識 を向上させるために総合治水の考え方も取り入れた方がいいのではないか。
- 築堤箇所の堤防高を教えて欲しい。
→次回もしくは次々回提示させて頂く。
- 新六ヶ井堰の撤去はいつか。
→JRの対策をした後に、新六ヶ井堰の 撤去をする。3〜5年後に撤去した い。
- 具体的に岩出井堰の撤去は相当先になるのか。
→紀の川大堰は平成21年度までの予定であり、その後に岩出井堰に着手したい。また藤崎 井堰は予算的にも工程的にも困難であるため、部分改築を提示している。
- 紀の川大堰から下流の堤防は、耐震対策ができているのか。
→阪神淡路大震災後、堤防概略点検を行っている。その結果では、地震による堤防の沈下が あっても津波に耐えうる高さは保持できている。
- 河道掘削を行っても、その後また溜まることにならないか。また、どれだけの年月で溜まっ ていくのか。
→全面的に掘削してしまうと、洪水によっては再度堆積することもあるので必要最小限の掘 削をし、モニタリングをしていく。
- 整備手順は流下能力と関係するのか。
→流下能力が少ないほど被害の発生頻度が高いのは事実であるが、上流の対策をすると下流 でより危険になることもあるため必ずしも整備順序とは一致していない。
- 河道掘削は、残土の受入れ先が有るから行うのではなく、災害防止の観点から計画的に実施 すべきである。
- 掘削予定箇所には、住み付いた植物や昆虫、水の中にも貴重な生物がいることから掘削時に 環境調査を行うのか。
→当然、工事前には環境調査をする。また環境編で議論したい。
- 治水上の観点から可動堰にするということだが、短い区間に多くの立派な堰が有りすぎる。
- 流域の方の意見を聞いたうえで計画を出して欲しい。
→河川管理者は、河川整備計画原案を関係住民に提示し意見を聴くことになっている。 →次回に「関係住民の意見の聴取方法について」委員から意見を聴きたい。
- 予算的に一斉に事業を始めることは困難であるため、ソフト対策を全面に出すことが説明責 任において重要である。
- 危機管理対策に対して、昼間はCCTVで遠隔監視ができるが、深夜の情報はどうするのか。 暗視テレビや赤外線なのか。
→昼間を前提にしたカメラなので、今後 対策を考える必要がある。
- 危機管理について、地震津波の対策はあっ たが、高潮の対策は必要ないのか。
→高潮対策については、現在の対応で可 能。
- 大堰から下流の河川公園が避難場所となっており、有効に機能していないのではないか。
→津波のシミュレーションができたばかりであり、今後精査を行い自治体と調整を行う必要 がある。
- 河川管理者が作るハザードマップと住民が要求するハザードマップは異なるので有効なハザ ードマップを作成するための研究検討を行って欲しい。
- 現地調査において、下流部の堤防液状化に対する理論的な検証が必要であると感じた。
- 新聞報道において公表されている地震によって、堤防のどこがどの程度危ないのか地域住民 に情報提供をして欲しい。
- 災害時の住民への周知については、経験上サイレンみたいなものが良いと思う。
- 水災害の予防・防止は、市民がどうしたらいいのか知っておかないと、市民は動かない。危 険度別に具体的な行動指針を認知してもらえるプロセスを予防防止の中に入れる必要があ
る。
- ハザードマップ上の情報を2種類に分けて考えてもらいたい。
- あえて危険なところに重要な施設をつくらないと言った行政レベルに有効なもの。
- 本当に危機一髪の時にどうするかという具体的な行動指針を提示する。
- 河川利用者に対して、ダム放流等の河川情報をどのように周知するかを考えておかなければ ならない。光ファイバー網を整備しているので有れば、それを使ってどのような形で迅速に
伝えるかを提案する必要がある。
- 整備計画における有効な治水対策としては、現在行われている必要な事業の継続と三つの堰 であると考えられる。これらの全面改築もしくは部分改築を行う。それらの対策を行って疎
通能力を上げ、河道の安定に向けて長期的なメニューとして提示する。また、無堤地区の築 堤も必要である。
- 直轄区間と指定区間の整備度・進捗度のバランスを考慮して整備計画を立てる必要が有る。 それによって大滝ダムの操作規則が決まって行く。指定区間の整備計画を組み込むことが必
要である。
- 無堤部の築堤を行うに際して、現在の土地利用の線引きをできるだけ崩さぬようにしてゆく ことが重要であり、どんどん開発されるのは困る。
- そう言うものをある程度抑制できるような 堤防のあり方を考えても良いのではない だろうか。それぞれの自治体の意見を聴取 しながら、できるだけそう言った方向で築
堤を段階的に進めていく。
4.岩出町の樹木について
河川管理者から岩出町の樹木について説明があった。説明の内容は以下のとおり。
それらの説明に対する主な意見は次のとおり。
- 委員会の提案として伐採にあたり鳥の観点から土岐委員と樹木の観点から養父委員にご足労 願って、河川管理者である事務所と地元の岩出町と一緒に現地を見て頂いて、当該地区の河
道内樹木の伐採について方針を立てて頂く。
- 対策案は無数に出てくるので、河川環境管理計画に従ってその中でどうするのか住民と決め るのが望ましい。
- 個別事象の問題で伐採するのかを検討しても、紀の川全体としては良い判断はできないと思 う。
- 川の流れに影響が出るというので有れば伐採もやむを得ないが、一晩の花火のために自然を 破壊することに驚いている。
- 現象が起こったら切りましょうと言う主催者との認識のズレがある。観客席を少し下げるな どのことも考えるべき。
- 地元の市町村役場と事柄を決定していく練習になると思う。
- 論外の話だ。やってはならない。
- 花火大会の話は、相当な住民の声をもとに主催者が要望してきたものであり、簡単に結論を 出せる問題ではない。
- 治水面・環境面・管理面から判断するためのサポートとして流域委員会が意見を言うことは 可能であるため現地で確認を行う。
- 最後は、主催者が責任を持って決定して欲しい。今後の危機管理もこれと通じているのでは と思う。
- 河川管理者としては治水上問題ないが、環 境などを考えると判断が付きにくいので、 委員に現地に行って頂き、どんな影響があ るのか助言して欲しい。
5.次回の開催内容について
次回の開催内容については、次のとおり。
- 次回開催日は7月頃。
- 内容は「関係住民の意見の聴取方法について」各委員から提案頂く。
- 開催場所は、和歌山市内。
- 次々回に残りの環境、利水、利用、維持管理の視点から、紀の川河川整備計画立案に向けて の考え方を説明して頂く。
6.一般傍聴者からの意見
⇒:委員回答
→:河川管理者回答 |
- 紀の川の洪水対策の特徴として、大台ヶ 原の対策をどうするかと言うことが重 要であり、岩出や藤崎に堰を作ると言っ た問題ではないと思う。そのため、洪水
を防ぐと言うことをもう一度考え直し て欲しい。
お詫びと訂正
委員会議題「4.岩出町の樹木について」において、河川管理者より「岩出町花火大会」と説 明しましたが、「いわで夏まつり」の誤りでした。
また、委員会議論の中で花火の主催が、岩出町役場と説明した場面がありました。 「いわで夏まつり」の主催は「岩出町商工会」であり、主管は「いわで夏まつり実行委員会」
です。
ここにお詫びして、訂正いたします。
この議事骨子は、委員会終了後に速やかに審議内容が公開できる様に取りまとめたものです。従って、今後議事の詳録を作成する上において、修正等が加わることがありますが、その際は、ホームページ上で修正箇所等を明らかにした上で再掲載を行いますのでご了承下さい。 |
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次回、第16回紀の川流域委員会は、7月頃に和歌山市で開催される予定です。詳細は、決定次第ホームページに掲載します。
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