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紀の川流域委員会NEWS!


第12回 紀の川流域委員会

日時: 平成14年11月18日(月)
10:00〜13:00
場所: JAビル本館 5F 大ホールA室
国土交通省近畿地方整備局

平井所長(国土交通省近畿地方整備局和歌山工事事務所長)
   それでは、前回のご指摘でございます遊水地について、メニューについてこれからご議論いただくので、平行作業になるかと思いますけれども前回ご指摘いただいた件についてご説明させていただきます。

<< 資料−1(第3編)説明 >>

中川委員長
   どうもありがとうございました。今のあの、遊水地計画についてのご説明について、どうぞご意見なりご質問なり。

岩畑委員
   よろしいですか。岩畑です。あの、2つ提案させていただいた安田嶋と上野の方なんですけれども、安田嶋の方の指定されているところは、ま、これでいいんですけれども、上野公園だけです、私ね、これ二見地区の方もこの間の勉強会の方で、現地視察に行きまして、ちょっと若干説明と、地元の方の説明もあったと思うんですけれども、二見地区は、指定にはなっていないけれど、自然遊水地的にですね、必然的に遊水地効果があるという前提で、案内というのか現場を見ていただいたと思うのですけれども。それが、まあ反映されていない。まあ反映してほしいというのが私の意見なんですけれどもどうでしょうか。というのはですね、この上野公園よりもですね、あそこは5倍広いんですよ、公園よりも、5倍ということはかなりですから、この間はもう5時半になってきて真っ暗になったのでね、あの河川敷からヤジオのところは見れんかったわけなのですけども、あれはごく一部なので、あの奥、歩いてきて車から降りたところですね、あれから降りてきて、右岸、右手側の流域、ならびに前の方、対岸の方も含めてすれば、とにかく5倍という面積は非常に大きい、非常にその自然遊水地的であり、これはもう昔からそういう形であるわけですから、やはり、その計算的にですか、入れられないものかということなんですけれども。

古田委員
   先ほど、勉強会の座長もおっしゃっていましたけれども、遊水地っていうのはやっぱり、いろんな意味で条件がいると思うのですね。で、安田嶋も見ましたし、それから上野公園も見ましたけれども、「地元の方が来られた来られた。」という話があるのですけれども、別に安田嶋に住んでいる地元の方じゃないんですよ。いわゆる橋本市なりそのそこの地元に住んでいる方ではない。地元の方達が言ってるんだったら、僕らも話は全然わかるのですけども、その何というか九度山町なり、いわゆる橋本市なりに住んでいる方がおっしゃっている、いわゆる候補地として良いというふうにおっしゃっているんで、あの実際にそこの住民たちが住んでいる方たちですね、畑を利用している方たちが求めているかというと、全然わからないというのが実態だと思うのです。で、安田嶋にしてもやはり農業の圃場整備という事業を受けて、それなりに水田ばかりじゃないですけれどもやっていますし、そこを今から取りかかって、やっていくというのはものすごく、手続き上から始まって、地元説得から始まって、すごい時間がかかることじゃないかなと思います。それと、もう既に、これは紀の川流域で全て目立つことなんですが、安田嶋もやはり宅造業者というんですか、そういう業者たちがやはりもう宅地開発ということで住宅がもう裾野の方に、ぽつぽつという段階ですけれどもやはり5軒や6軒はあります。そういう実態です。それから上野公園についてはですね、既に五條市のさまざまな施設が建っています。それをあえて、遊水地ということにするということになれば、どうなるのかなあというような、たぶんあそこは、いわゆる伊勢湾台風くらいの水が出た場合には当然水がついてもしょうがないと、よくつくんだというふうなことはおっしゃっていましたけれども、やはり、後の掃除とかそういう部分は大変なところのようです。それと、今岩畑委員がおっしゃった、大和丹生川との合流付近、そこの場所についても私ども見てきたんですけれども、あのもう夜になって暗い中だったんですけれども、やはり、そこは常に遊水地、遊水地っていったらおこられますけれども、それと左岸側には人が住んでいるわけですよね。大和丹生川の入り口の方、いわゆる紀の川合流部分もですね、やはり、民家が2、3軒ありまして、そこはまあ、常に水のつくところだというふうなことを五條の地元の方はおっしゃっていました。あのちょっとした出水でもつくと。私は見てきた中で、いわゆるそんな条件の中で暮らしている、人たちなんでしょうけれども、やはり、いずれにしても水の被害というのは、たまらない話でしょうし、当然、国が守るべき、水害に遭わないように守るべき性質のものだというふうに思いました。以上です。

中川委員長
   はい、どうも。

小川委員
   小川です。配らせてもらった国土問題研究会の資料なんですけれども16ページのところに私達の考えている遊水地のその基本となっている考え方が出ているんですけれども、その中でね、これらの遊水地になる可能性のある場所の内かなりの地区について調査したが、その結果については云々で、えっと、これらの個所は現在、あるいは過去において、自然の遊水地となっており、そのような遊水地形を考慮した土地利用形態が残されているって、残されているのはここで、例えば、その安田嶋なり何なり、今でも大きな洪水がきたら水がついているみたいなんですけれども、一体どれくらいの雨がきたらそこが、水、こういうここくらいまで水がきたっていう情報はないんですかね。例えば、伊勢湾台風並じゃなくても、伊勢湾台風の3分の2くらいの雨量だったら、水がつくとか、つかないとかいうのはわからないんですか。

平井所長(国土交通省近畿地方整備局和歌山工事事務所長)
   非常にこそらは難しくて。例えば先ほどの危険水位に達するような時に水がこれ以上水が入りますとかいうようにですね、ある一定の仮定を設ければ、水がこういう洪水になり流量だったら流れますというようなお話できるんですけど、ただ、地元の方との乖離というのはですね、過去の浸水被害で、例えば支川がはけなくてですね、いわゆる本川にはけなくて、水がこぼれちゃったとかですね、その状況によってその浸水の状況と、また小川委員からお話のあった紀の川から水が入ってくる、いわゆる水がついてくるというのもどういう状況で入ってくるかという仮定がいるので、一つの仮定を設ければ、先ほど示させていただいたように、この水位になるような流量はどれくらいでこれは過去の洪水では、これくらいの規模の洪水ならば、この水位に達しますというのはお話できるかと思います。それでよろしければ次回用意しますけれども。

中川委員長
   いろいろなご意見があるかと思いますが、かなり超過しておりますので。また、先ほども申しましたように、この環境問題というのは、これから進めていく審議の上で、全て絡んでくるといいますか、いろんな問題にも絡むと、そういった点でですね、その都度、活発なご意見をお願いして、それを反映すると。結果にですね。そういう方に努めていきたいと思います。

小川委員
   例えば、上野公園なんですけれども、あれが完成してからね、何回か浸水あったんでしょうかね。そういうのは、今わかりませんか。

平井所長(国土交通省近畿地方整備局和歌山工事事務所長)
   今、にわかにわかりませんけれど、地元の五條市にお話を地元にというか管理者におうかがいするというのは一つの手だと思いますので、それはおうかがいしておきますけれども。

小川委員
   その辺のところも合わせてお願いします。

岩畑委員
   えっと、資料−1の第3編の方ですけれども、あの安田嶋ならびに解析方法の手法に基づいてですね、算出効果というところで、この流出抑制効果というのが、これが遊水地効果ということでいいんですね。これ、そういうことですね。従ってですね、上野地区でのこの遊水地効果というのが、明記されているのは上野公園で、にということですね。これ。

平井所長(国土交通省近畿地方整備局和歌山工事事務所長)
   お手元のですね、もう一度ご説明させていただきますと、第3編の16ページをお開きいただきますと、これはちょっと見方が見にくくて恐縮でございます。まず、見方ですけれども、上野地区については黄色の部分に着目してくださいということでございまして、上野地区を今のままにした場合に、伊勢湾がきた場合に岩出の地点で20m3/sの効果がございます。下流の20m3/sの効果がございますということです。藤崎だと10m3/s。小田だと10m3/sの効果がございますと。上野地区に水が入らなかった場合には6,670流れるところが上野地区に水が入った場合には6,650ですので、20m3/sの効果がございます。安田嶋も同様で、安田嶋地区、このオレンジというかピンクで塗った部分でございますけれども、安田嶋地区が遊水地じゃない場合は岩出の地点下流で6,670m3/s流れますけれども水が入ることによって6,590m3/sになりますので80m3/sの効果が安田嶋に水が入ることによって岩出の地点で80m3/sの効果があるというふうに見ていただければと思いますけれども。

岩畑委員
   だから、そういうことに基づいて、いわゆる二見地区のね、自然遊水地を、数値計算に入れてもおかしくはないということを私は言っているわけなんです。

平井所長(国土交通省近畿地方整備局和歌山工事事務所長)
   あの二見地区について、勉強会でお話があったことはおうかがいいたしましたけれども、時間がないので、これは非常に時間のかかる計算なんです。ですから、次回にですね二見についてお話することは準備させていただきますけれども、今回はあくまでも前回の委員会でご指摘のあった2地区についてお話をさせていただいたということでございます。ですから次回、二見についても同じようなお話をするよう検討させていただきます。

岩畑委員
   それは是非お願いしたい。ということはですね、目標流量を決めるには、この飽和雨量とこの遊水地のこの活用という数値が非常に大事なウエイトがあるというところでね、やはりシビアに計算していく必要があると思います、だから二見地区についての算出の仕方をきっちりと出していただきたいということです。以上です。

池淵委員
   委員長いいですか、あの遊水地の低減効果というのを見せていただいたわけですけれども、こういう低減効果で、五條市くらいの地区ですよね、そこからこの下流で抑制効果がこういう形であって、それが先ほど、その下流での対策メニューとしての築堤とか掘削とかそれから狭窄部の部分的改修だとかそういう形とからめてこの抑制効果というのは、その他の対策メニューのセットで軽減される程度はどの程度なのか、また費用とか時間のかけかたとか、さっきおっしゃったように手続きの時間問題とかいうご指摘等もあったんでその辺りはどうなんですか。最大230m3/sとかそういう形でも水位低下としてどれくらいになって、他の対策メニューに置きなおせる部分がどうなのかとか、その辺りはどういう試算になるんでしょうかね。

平井所長(国土交通省近畿地方整備局和歌山工事事務所長)
   このまさに20m3/sと80m3/sのほかの代替案との比較というのは、まだ、検討に至っておりません。ですから、あの次回にかなりの仮定がいると思いますが、前回の8地区の事例同様に、例えば堰と築堤とかとの比較ですねお話させていただこうと思います。

中川委員長
   よろしいですか。まあ過去にはほとんど氾濫していたと思う。それが確かにうまいこといった。これは非常に築堤方式でまあ吉宗以来、その紀州流でやってきて、築堤といっても堤防そのものというのはご承知のとおり、先ほども写真でみられたようにそれほど、完璧なものではないし、非常に弱部の多いものですし、そのようなことが起こりうる可能性は沢山あったんです。その災害がね。まあ従来は恐らくいたる所で、私は知りませんが恐らく田んぼとかですね、そこらが非常に多くてそこへ浸かっていたという災害が非常に多かったと思うのです。しかしながら流域自体の開発が進んで、人が住む、そこに沢山の人がはりつくようになって、まあ従来の田んぼの浸水にかわって、例えば住宅が浸水するとか、氾濫にあってですね、そういうまあ人的な被害が目立ってきた。こういうところだと思います。だから、それに、そういった土地の用途、どういうふうに規制されているかということによっても非常に法律的にも絡んでくる問題もあって、それと、池淵委員が言ったようにそれが果たして河川整備事業のメニューにどれだけ効果があるかどうかと、犠牲の割に効果がないといけないことですから。今日はこういったメニュー、というか一つの試算を出していただいた。それを含めて、今度、整備計画のメニューを出していただくときに検討してですね、こういうものがはたして、今言ったような十分なMCCがあるものかどうかということを判断しないといけないと思う。それでよろしいですか。

三野委員
   洪水対策としてはですね、そんなに効果がないのですが、たぶん養父委員がいらっしゃったらここで一言あると思うのですけど、むしろ先ほど中川委員長が一番冒頭におっしゃったように洪水時に適応する生態系っていうのがあるわけですよね。そういうものがどんどん今狭められてきているわけで、この遊水地というのは逆にいったら、唯一の最後の砦としてですね、ビオトープ的な意味では大変大事な効果をもたらすかもしれません。だから地域の合意さえあれば、私は今、洪水対策としてやると、だめだということで芽を消してしまうのでは問題かと思いますが、もう少し総合的な視点からは評価していく必要があるのではないかと思っております。

中川委員長
   だから、先ほども申しました。いろいろなメニューが出てきますから、その具体的なメニューが出てきたときにね、十分な環境面とか利水面とかいろいろな面からのご議論を願いたいとこういうことなんです。よろしゅうございますか。それでは、先ほど申しましたように、一応、目標流量というのは戦後最大規模の洪水、そういったものを標準、水準にして考えると、これでよろしゅうございますね。そういうことで次々回くらまでに今言った整備メニューを作っていただいて、それをたたき台にして、それで治水事業と言おうか、そういうものを作っていきたい。決めていきたい。それと共に利水とか環境とかいろいろな生態とかそういうものが非常に関係してくる、影響を及ぼすということで、なかなか予測をするというのは難しいことではございますけれども、そういった専門の先生方からその都度ご意見を十分お聞きしたいとこう思うわけです。それと、具体的なメニューの検討をしていくわけですけれども、その前に今申しましたように例えば利水とか、あるいはそういったことによって川の環境、例えば水質がどうなのかとか、掘削することによってですね、どんな影響が出るとかいろいろあると思うのです。従って、次回に私からお願いするのもおかしいのですけれど、例えば、農水について、例えば水循環ですね、そういった面からみた最近というか戦後のいろいろの農場の整備といいますか圃場整備とか、灌漑排水の整備等が行われたことによってどういうふうに川から取られた水、ダムからで利用されているような水、その水循環にどんな影響を及ぼしているだろうと、これはむしろ川の中というよりも外ですけれども、こういったことをひとつ三野委員に30分くらい、お話を願えないかなと僕は思うのですが、よろしいですか。これは別に紀の川に限らないです。その日本全体の農業構造の改革によってどういうふうに変わってくるかと、例えば、悪いことばっかりの方を見ていることが多いですよね、琵琶湖なんかを見ていても、石をとったらすぐに真茶色のものが出てくると。だから、そこらは排水路を整備したおかげでどうだとか、こういうことになっていると思っているのですが、あるいは取水したものが昔のように元にもどらずに直接海にいってしまっているとか、だから実際の灌漑用水というのは例えば農業そのものだけではなくて、生活ともどう結びついているとか、その環境の形成にどのように役立っているかとか、それが過去とどういう違いが出てきているとか、そういうようなものをお話願えれば非常に良いと。よろしゅうございますかね。

三野委員
   もし、お許しいただけますと私もいろいろと発言しておりますので、少しそういう機会をいただければお話をさせていただきたいと思います。

中川委員長
   お願いいたします。それと、さきほどちょっと申しましたように、紀の川流域といいますか、その河川もそうですけれども、まあ流域全体にわたってのいろいろ水質なんかの問題と、一番最初に言われたように、ここの下水道の普及率が日本最低だと。それほどまでひどい県だということになっているわけですが、そういう見解をすると水質、非常に環境の負荷が大きくなって、紀の川自体の水質にも、あるいは、この流域全体にわたっても非常に問題が起こっているんじゃないかと思うのです。当然いろいろこう今までに、定期的に管理しながらでは観測もされて、そういうデータも前にも出ておりますが、これからの例えば、なんと言いますか公共投資、事業として、どこに重点を、紀の川を守るためにどこにおくべきかといろいろ考えていかなければならない。そうなりますと共に実際に水資源がだんだん不足してくるということになると、逆に川から直接取るということよりも地下水をどれくらい利用しているかと、これから、その需給関係はわかっているが、そういった水源問題がいろいろあると思うので、あのご専門であると思いますが、江種委員にそこのところをお話願えないかとこう思うのですけれど。かなり紀の川流域に限っての話をお願いしたいと思うのです。こういった今言ったような、水量とか水質のいろいろの問題というのは、地域によって違いますから。できれば、この紀の川というものに焦点を当ててお話願えればと。こう思いますけれども。

江種委員
   一応、私も紀の川流域に住んでいまして、ある程度やっていますので話題を提供させていただけるのであればよろこんでお引き受けさせていただきます。ただし、まだ何分、私のところもそういう研究も進行中ですので、十分あの中途半端な内容になるとは思うのですが、その辺をご了承いただければ。

中川委員長
   話題としてというか、その問題をあげていただいたら、全部委員の中には実際に生活の中でよくご存知の方もおられると思いますので、そういうご意見をいろいろ聞いてください。

江種委員
   話題提供的な形で話させていただきます。了解いたしました。

中川委員長
   はい、ではそういうことで次回は進めさせていただいたらよろしゅうございますか。その都度だから、委員方、環境関係の委員方どんどん、ご発言いただき、ご意見をいただいたら非常にありがたいと。こう思うんですけど。何か。それから、先ほど申しましたように、次の回くらいに整備メニュー、具体的な整備メニューを出して議論しようと思うんですけども、これはあくまでも整備計画というのの原案というのは、私はいろいろとお願いして作っていただいていますけど、委員会としてのもんじゃなくて、あくまでも河川管理者が提案された形のものをわれわれが議論するということですから、それでやっていただくと。ただ、できればより具体的にこの場で議論ができるように次の、その次の次くらいまでに整備メニューの審議の前に委員の間で勉強会、それの、そういうのをやっておいていただくと、ここでの議論が盛り上がると思う。今日は養父委員が帰りましたが、ひとつお願いしたいと。こう思います。それでは、次回の開催についてでございますけれども、12月はちょっと私自身が年末までいっぱいつまって、スケジュールがつまってまして、できましたら正月明けくらいにお願いしたいと思うのですが、勝手を申します。1月の上旬ですね。できましたら場所は年明けになりますので集まりやすい和歌山市内でお願いしたいと思います。日にちは。

庶 務
   また、庶務の方から調整させていただきます。


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