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一般傍聴者(赤井一昭氏「紀の川の水をきれいにする会」) |
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初めに、会の運営のことについてお願いしたいと思います。私は、水郷水都会議のときに中川先生の講演聞いて、こんなこともあるので出てくださいということで初めて出席しました。その次の委員会に出席させてもらったときに、「上流で困っているのだから、下の方で少し水路を整備したらいいのではないか。」と質問をして、その答えは「次回にやります。」というので、次の会も時間をあけて1時から最後の5時まで頑張ったのですが、そのときにも次のときにもまた次回となりました。そこで、次も出ないといけなくなりました。これで3回無欠席で来ているのです。
じっと座っているのもつらいし、その答えらしきものが今この参考資料-1に出てあって、これが私の質問に対する答えと思っています。6番と7番が私の質問に対する答えかと思っています。これは委員長の見解と書いて一笑に付しられているのですが、この委員会へ出てこないとこの回答がわからない。「紀の川では、上・工水の取水施設を初め、農業用の取水堰等が多数設けられていることや、地下水位、既設の重要構造物の敷高及び河川の環境のことを配慮すると、単純に流下断面の不足分を掘削することで対応すればよいというものではありません。」とこういうことを書いているのですが、これ委員長のご意見なのですか。
5ページです。5ページにこの3行で。こんなことはわかったことです。この回答のために3日間ここで、時間の初めから終わりまで待っているのです。それで、次のところの土砂の粒度については、江頭委員が土砂が出てくるということで河床掘削に反論されたので質問したのです。私は、粒度分布を出してほしいというようなことを言ったわけではありません。「川に土砂が流れてくる。」と言うから、「川に土砂が沢山流れてくるのです。」と質問したので、答えだとしたらこれは、答えになっていないです。
そういうことで、一つの答え聞くために3日間も頑張って来て、朝から晩までいるのですが、運営について何か考えてください。もう一つ、委員の中の先生は現地に即応した答えをきちっと答えて、自分の専門は自分の専門として答えてほしいと思います。
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○ |
中川委員長 |
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一般の傍聴者から出たご意見といいますかご質問等については、ここでお答えするのではなく、必ずホームページに載せておりますから、それに対する回答を見ていただければ結構かと思います。
それから、あなたが先程言われた掘削すれば流量が流せるということは、私からすれば当たり前の話です。だから、そのためにダムは必要なくなるとか、そんなことの議論とはまた別の話です。あなたの方がよく勉強してください。当たり前ではないですか。掘削して、水がたくさん流れるのは。何かそれに対して反論できますか。それができないと私は言っているのです。それができないような条件がたくさん川にはあるということを言っているのです。
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○ |
一般傍聴者(赤井一昭氏「紀の川の水をきれいにする会」) |
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ありますけども、今の問題は、土砂が流れてくるのではなく、川を堰き止めて土砂がたまって氾濫しているのでしょう。
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中川委員長 |
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だから、そう書いてあるじゃないですか。
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○ |
一般傍聴者(赤井一昭氏「紀の川の水をきれいにする会」) |
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書いてるのではないでしょう。
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中川委員長 |
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それは、後で議論しましょう。
もう一人。どうぞ。
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○ |
一般傍聴者(高津 正秀氏「大阪府立大学大学院工学研究科」) |
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私は、今日のお話にも出ておりました「一般からの意見、要望」という冊子の参考資料-2の最後のところの「ダムと治水を考える研究者グループ」ということで、この要請書をまとめました大阪府立大学の高津と申します。
この件については、先ほども岩畑委員からご発言がありましたけれども、まず最初に言わせてもらいたいのは、私が指摘しているのは数字の誤りではなくて統計処理の誤りであります。
それから、まず過去の過ちを問題にしているだけではなくて、この委員会での議論の誤りといいますか、河川局の説明ないし回答の誤りをもここで指摘しております。もし、これに対して、さらにこれが誤りだとおっしゃるのであれば、すぐにでもおっしゃっていただきたいと思います。誤りだけでなくて全く答えになっていないというのが、明らかなものがあります。
具体的に言いますと、例えばこの資料の小川委員からの質問の回答のところの9ページを見ていただきたい。これはどなたがお読みになっても、回答になっていないということがおわかりだと思います。どういう質問かと言いますと、先程からも話に出ていますが、「降雨パターンに年最大を適用するのは誤りである。」という指摘をしているわけです。それに対して、回答の方は「洪水をもたらしたものの観点では、年最大のうち云々」といった回答になっていまして、年最大は当たり前のように、こちらが問題にしていることを全く無視した回答になっています。水野調査官、そうですね。年最大が問題だと私が言っているのに対して、年最大のうちどうこうというふうな、年最大という言葉は、ここにしか出てこないです。だから「全く回答になっていません」というのは、皆さんお読みになったらおわかりになるはずなのです。
先ほどから議論の妨げになる、あるいは進行をいたずらに遅らせるだけだとおっしゃいましたけれども、そういう質問に対して回答にならないようなお答え、これこそが時間のむだです。何か反論がありましたらおっしゃってください。
それから、間違いといいますのはどういうことかと言いますと、先ほど言いました降雨の振り分けの問題です。前回の議事録読ませていただきましたら、今回の資料のところでは時間的な振り分けのことを書いていますけれども、前回の水野調査官の説明の中では、現実に起こり得ないような雨量に達したときには、高いところをカットして別の流域、別の観測地点、つまり、低いところに振り分けると説明されていました。そうすることによって、一つ一つの観測地点については現実離れしたものにならない。だから、それで良いんだというふうにおっしゃっているわけです。
過去の方法について、過去にこういう方法で検討されたという事実がそうであるならば、それはそれで結構なのです。ただ、それは今現在の判断として正しいかどうか。それで良いとおっしゃられると、これは明らかに誤りだと言わざるを得ないのです。どういうことかというと、参考資料-1の26ページの一番最後、「一般からの意見、要望」の一番最後のところに書いています。各観測地点はサイコロ1回だと考えてください。サイコロ1回振る、それが1つの観測地点の値だと考えてください。
そうしますと、例えば6以上の数が出る確率。サイコロですから6までしかないわけですけれども、これは6分の1である。1回振って6が出る確率は6分の1である。これは十分あり得る確率です。ところが、10個観測地点があった。サイコロ10回振って全部6になる確率と言いますと、これは6の10乗分の1、約
4,000万分の1になるわけですね。それで、仮に平均5以上にまで緩めたとしましても、確率的には 350分の1いうことで、6分の1よりもはるかに低い確率になるわけです。
ですから、個々の流域ごとに単純に高過ぎるものをカットしたから、現実離れしたものでない。だからそれで良いんだという理屈は、全くおかしいわけですよ。そういうふうな議論こそ、時間のむだであります。ここに多くの専門の先生がおられるわけですから、そういうことに対しては、しっかり指摘していただきたいと思います。統計学の話ですから、これは何も治水の専門家でなくてもわかる話なのです。私も治水の専門家ではありません。理系の人間なら統計はある程度わかる。理系の人間ならだれでも理解できることだと思います。
水野調査官、何か反論があったらおっしゃってください。
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○ |
水野調査官(国土交通省河川部河川調査官) |
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説明いたします。2種類あります。先ほどの最終的には 2.32倍を超えている話と、47年を使っていて当時は7洪水を選定したということです。それが良いのか悪いのかということのご議論だと思っていましたけれども、先ほども説明しましたが、当時としては当時の知見の中で選ぶに当たって7つを選んでいるという事実でございます。それは一つの判断だと思っております。
このたび計画をつくるときにそれが良いのかどうかについては、今回、河川整備計画の中の雨量選定で議論しましょうという話を先ほど皆さんがされたと思っております。当時の考え方として選んだのは一つの基準にのっとった一つの考え方で、適切なやり方だと思っております。
それ以後データが増えた中で、コンピューターが進んで、物事をどう考えていくかについては、今度つくられる河川整備計画の中で議論をしていくものというふうに、先ほども、整理をされたものと思っております。
それと先ほどサイコロが6がいっぱい出る確率というのを言われました。その説明の趣旨がよくわかりませんが、我々としましては小川委員から提出された質問に書いてございまして、前回も説明しましたが、単純に降雨を伸ばすと起こり得ないことがあり得ます。サイコロで言うと、単純に2倍にしたら7も8も出てしまうのでそういう起こり得ないことが起きてはいけないので、起こり得る範囲にしましょうということで、26ページの上に書いてあるとおり、確率の統計処理から各流域で起こり得ない最大値を設けて、それ以上にはならないように周りに振り分けているということです。ですから、振り分けた結果もそれぞれの地域で起こり得る範囲内でやっているということでございます。
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○ |
一般傍聴者(高津 正秀氏「大阪府立大学大学院工学研究科」) |
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それぞれの地域で起こり得るか得ないかということでなくて、それぞれの地域では十分起こり得る範囲であったとしても、全体としては極めて低い確率になってしまう。
要は何が問題なのかといったら、現実に起こり得る範囲であるかないかというなことを言っているのではなくて、これは、もともと何をしているのかといえば、 150年に1回、正確にいうと
150年に1年なのですが、その降雨によって生じるピーク流量がどれぐらいであるかということを、統計的に求めようとしているわけです。要は、統計的に 150分の1という値として妥当かどうかという議論でないと全く意味がない。現実に起こり得るか否かの議論ではなくて、統計的に
150分の1とみなし得るかどうか。そういう話であります。
それからさっきも言いました、年最大をとるという話についても、最後の26ページのところの*5番のところに書いておりますけれども、年最大をとるというのは計画2日雨量を求めるときのやり方です。計画2日雨量を求めるときのやり方を読んでいただいたらわかると思うのですが、150年に1回という表現は本当は正しくないのです。150年に1年なのです。ある値、例えば
440mmを超える降雨が起こる。そういう洪水が発生するのが 150年のうちに1年だけある。だから、そういう意味の 150分の1です。要するに今後1年以内に起こる確率ということなのです。
それを降雨パターンを選ぶときのルールとして当てはめるというのは、明らかに間違いです。パターンに対して年最大というルールを当てはめるという統計学的根拠がもしあるならおっしゃっていただきたい。
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岩橋委員 |
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議事次第で2-3のところで次回の開催内容の方が先に書いてあります。そこで、資料-5の「紀の川河川整備計画(治水)の進め方」というところを先にやっていただきたいと思います。一応時間も来ていますので、2-3の進め方の方は、資料-5に基づいて先にやっていただきたい。
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○ |
中川委員長 |
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よろしいですか。
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○ |
一般傍聴者(高津 正秀氏「大阪府立大学大学院工学研究科」) |
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それと、どっちみち中期の計画にしても、やはり目標流量ですから、同じような計算を行うわけです。恐らくその数字を先に計算されると思うのですけれども、それを行うのであれば、全く同じデータを使って、16ぐらいあった洪水に対して基本高水も同じように計算できるはずです。「基本高水の計算は、今みたいにコンピューターの発達していなかった昔と違って、簡単にできる。」と水野調査官もおっしゃっていました。それからデータは多いほど良いということを水野調査官もおっしゃっていました。ですから、これは当然一緒にやってもらいたいと思います。ないよりはある方が良いというのは、皆さんいかがでしょうか。
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○ |
中川委員長 |
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この流域委員会で決めた例えば選定の方法をいわゆる基本方針の修正に使っていただく、そうでなければそれは整合性がないから委員会として意見を述べる。しかし、本来は、ここでそれをやるべき問題ではないのです。それは、わかりますね。
だから、それは地方整備局でそれをやっていただければいいのです。一番最初に言ったのだけれど、それを修正するようにこちら側は意見を言いいます。それだけの話です。よろしいですか。
それでは、次回開催について日程と検討内容を決めたいと思います。本日は、対象洪水の選定についてご説明をいただきましたけれどもそれは方法であって、そいつについての議論を次回やりたいと思います。もし時間があれば、治水上においてその結果、どういった現象が河川で起こるかを議論したいと思います。さらにはそれを克服するのに、例えば大滝ダムができて、それの治水容量、あるいはそれ以外を弾力的に運用できるかどうかといったことを次回に議論したいと思います。
開催日は庶務の方で日程調整をしてもらって、その上で決めたいと思います。ですから、1カ月後ぐらいをめどにして、開かせていただければどうでしょうか。よろしいでしょうか。
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○ |
庶務 |
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委員長、場所はどこにすれば良いでしょうか。
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○ |
中川委員長 |
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場所は、和歌山でよろしいでしょうか。和歌山市内で選んでください。
よろしいですか。
それでは、長時間どうもありがとうございました。失礼します。
質問。委員の方でお帰りになられる方がおられますが、何かご質問があるのですか。
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○ |
一般傍聴者(時田 香氏「紀伊丹生川ダム建設を考える会」) |
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今日は傍聴者にしっかりととらえていただきたいということで、先程も発言の希望を出したのですけれども、いつも最後に追い詰められて、本当に意見を言う時間がないのです。今日もなかったのです。小川委員と同じ「紀伊丹生川ダム建設を考える会」の時田と申します。「紀伊丹生川ダム建設を考える会」でも専門家の方をいろいろ入れて議論しています。そういうダムに関する代替案とか、今回の基本高水のことも物すごく大事なことなので、これが決まらないといろいろおっしゃっている話が全然前に進んでいないと思います。
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○ |
中川委員長 |
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いや、そんなことはないです。何も基本高水を決めなくても、私の言うてるように決めれば前へ進むのです。なぜ前へ進まないのですか。
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○ |
一般傍聴者(時田 香氏「紀伊丹生川ダム建設を考える会」) |
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今、高津先生もおっしゃいましたけれど今いただいている資料では、基本高水流量が非常に高過ぎます。
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○ |
中川委員長 |
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今度は別に高くならないです。16,000m3/sとかそのようなものにはならないと思います。
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○ |
一般傍聴者(赤井一昭氏「紀の川の水をきれいにする会」) |
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高くなるかならないかについては、それは別の問題です。
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○ |
中川委員長 |
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なぜですか。私は、妥当な方法でこれから基本高水などを計算すれば良いのではないかと思っています。
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○ |
一般傍聴者(時田 香氏「紀伊丹生川ダム建設を考える会」) |
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ですから、今後、代替案も、しっかりと提示していただいて、我々の意見も聞いていただくようにお願いいたします。
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○ |
中川委員長 |
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何がリーズナブルかということを議論していくことはだめではないと私は思います。先ほども言いましたように、国土交通省としては、河川の治水上の安全性を高めるために、非常に大きいものを過大にとってきてやってきたわけですが、そういうものは間違っていたと言いたいのですね。間違っていたと言えないのですか。
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○ |
水野調査官(国土交通省河川部河川調査官) |
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それは一つの考え方ですので、評価についても別物であると考えています。
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○ |
中川委員長 |
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ただ、それは改めれば良いわけで、そういった形で議論をしていこうとこういうことです。よろしいでしようか。
傍聴者だけではなく、一般的な皆さんのご意見やご質問等も庶務の方に寄せていただいて、そういうものに対するお考えをいろいろ提示していただければ良いです。
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○ |
庶務 |
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庶務に意見をいただければ、ホームページ等で回答しているところもありますので、見ていただきたいと思います。
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○ |
一般傍聴者(赤井一昭氏「紀の川の水をきれいにする会」) |
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ホームページのアドレスはどこかに載っていますか。
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○ |
庶務 |
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ニュースレターを受付のところで配られていると思いますが、その最後のページにアドレスが載っておりますので、見ていただければと思います。
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○ |
岩畑委員 |
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最後に一言お願いします。
今までの経過を見ていますと、運営において傍聴者の意見の時間帯を一応30分ぐらい設けようということなのですが、やはり審議の時間が押し迫って、余り時間の余裕がありません。今日も10分少しでしたが、河川法に基づいて地域住民や流域住民の意見を大いに反映するということが前提になっております。したがって、30分の傍聴者の意見している方は紀の川を非常に愛しており、どうしたら良いのだろうと非常に熱心に考えている方だと思います。
だから、この方の意見をやはり十二分に時間を持っていただいて進めないとこの委員会の禍根になると思われます。したがって、委員長の方でも運営の時間帯を必ず確保できるような形で考えていただきたいと思います。よろしくお願いします。
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○ |
中川委員長 |
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それでは、大分時間を超過いたしましたが、これで第7回の流域委員会を閉会したいと思います。
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○ |
庶務 |
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長時間にわたる審議、どうもありがとうございました。
これにて第7回流域委員会を終了させていただきます。
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※岩畑委員は、当議事録内容を認めていません。
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