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2001年7月発行

紀の川流域委員会ニュース No.2



● 第2回紀の川流域委員会 議事骨子
第2回紀の川流域委員会の議事骨子は次のとおり。

平成13年7月18日

第2回紀の川流域委員会 議事骨子

委員長 中川博次

第2回紀の川流域委員会は、7月18日(水)和歌山ビッグ愛において全委員23名の出席のもと実施された。
 

1.委員長代理について

 委員会規約第4条4.「委員長に事故がある時は、委員長があらかじめ指名する委員がその職務を代理する。」に則り、委員長が委員長代理を次のとおり指名した。
 委員長代理 小田 章 和歌山大学経済学部教授 (経済)
 

2.運営細則第6条の訂正について

 運営細則第6条の訂正は承認された。なお、訂正された第6条は次のとおりであり、訂正箇所は下線部の追加である。
第6条 委員会の内容等に関する一般からの意見や資料は、郵送、FAX、電子メールにより文書で受け付け、受け付けた意見や資料は、委員に配布する。議題としての取り扱いについては委員長が判断する。
 

3.各委員から「紀の川との関わり等」について報告

各委員より、「紀の川との関わり等」について次のとおり報告があった。
(発言順・敬称略)
氏名 「紀の川との関わり等」の要旨
安藤精一 紀州流やパナマ運河より以前に閘門式運河を完成させた近世の技術水準の高さが現在の紀の川にどのように受け継がれたかを明らかにしていきたい。
池淵周一 自然や人間生活で使う水、農業や工業で水を使うことの折り合いをどのように付けて安定供給していくかに興味を持っている。
今中佳春 洪水対策や浸水対策に近代的な技術を応用して素早く対処するなど、人と自然の調和や共生が出来るよう、より良い川づくりを考えていきたい。
岩橋健 母や祖父が川で水泳したことや、仕事で紀の川の氾濫防御に力を尽くしたという話を聞いてきた。
岩畑正行 支流の紀伊丹生川には今までに3度、深い関わりを持ってきた。紀伊丹生川ダムの建設という話もあり委員会で勉強して方向性を考えたい。
上本博康 小さい頃、橋本市の紀の川祭りを楽しみにしていた思い出がある。現在、紀の川の水質試験に携わり紀の川の水質のイメージが違ってたことに驚いている。
梅田恵以子 和歌山県全域の川に興味を持っている。本川のみでなく支川の様子や人の暮らしなどをいろいろ書き残していきたい。主婦の目ということで台所の排水から川を考えていきたい。
江頭進治 土砂移動から川の安全性を考えていきたい。ただ、環境や川を使うと言うことも考えなければならない。
江種伸之 紀の川流域の人間活動が河川環境に与える影響について、主に水質の面から研究を行っている。
大谷誠一 もっと住民にも河川汚染に対してモラルを持ってもらう活動をしている。委員会で学んだことについて町の方に持ち帰り、住民に紀の川に興味を持ってもらうよう活動していきたい。
小川和子 子供の時から玉川峡に親しんできた。危機感や川の大切さ、自然の大切さを「考える会」に入って知った。みなさんにもそれらを良く知って欲しい。
小田章 これまでの経済発展により人間のエゴやおごりが川を汚してきた。自然と人間が今後は川を通じて共生できるように原点に返って見直していく必要がある。和歌山にとって紀の川は恵みの川である。
神吉紀世子 水収支・水環境に関わる計画は河川堤防内だけでなく流域市町村の都市計画などにも応分の役割を求めるべき。また水辺の文化財の掘り起こし調査をしていく必要がある。
玉井済夫 学校や地域において水生生物を通して水質の調査を実施してきた。現在、貴志川の調査を行っている。両生類で言えば、カジカガエルの棲んでいる川が本来の川でウシガエルは汚れている川に棲んでおり、本来の川の姿ではない。
とき よりさぶろう 海の貝を調べていたが最近は汽水の貝を調べている。淡水の貝も今後調べていきたい。
濱中秀司 鮎を放流した後、鮎釣りの解禁の時まで河川に安定した水量ときれいな水が流れるようにならないものかと思う。
古田皓 紀の川は暴れ川で、紀の川下流は天井川的な形状となっているような紀の川の特性、本当の自然の姿をみんなに知って欲しい。その上で、開発するのかしないのかを考えたい。
牧岩男 紀の川での淡水魚は鮎以外に興味を持たれていない。いろいろな魚がいることを強調したい。
的場績 紀の川は昆虫の生息環境として、和歌山において最後の砦である。自然や昆虫が人にあわせるのではなく、人間が自然や昆虫に歩み寄る共生であって欲しい。
三野徹 平成9年の河川法改正において水循環部会に属し、健全な水循環とはいかなるものであるかについて考察してきた。
新しい国土政策が国土の単位から地域の保全管理に移る中で紀の川の整備にどのような方向、役割を果たすか流域委員会で勉強していきたい。
養父志乃夫 紀の川は昔に比べ水が減ったという感じがする。
近自然工法や自然環境の修復にはどうしたらよいか。自然環境に配慮した治水利水対策に対して努力していきたい。
湯崎真梨子 水量が減って河原が狭くなった印象を受ける。
私たちが生きるために気持ちのいい暮らし方を今までの産業、生活のしかた、人間の心の領域まで影響のあった紀の川について考えていきたい。
中川博次 土砂のバランスを考えた河道の維持を考え、ダムの新しい技術開発をやってきたことや、大滝ダム、紀伊丹生川ダム等の紀の川水系の川づくりを通して紀の川に関わってきたことを生かして河川整備計画に反映していきたい。
 

4.紀の川の現状説明

 河川管理者より、紀の川の現状説明資料のうち第1章「紀の川のあゆみ」、第2章「災害の発生の防止又は軽減に関する事項」に基づき紀の川の治水について説明を行った。

 主な内容は次のとおり
−紀伊丹生川ダムの治水効果については紀の川の全体の治水対策の中で議論することとする。
−現状と大滝ダム完成後による浸水範囲の変化については次回の委員会で河川管理者から説明する。
 

5.次回の開催内容と当面の作業準備について

 各委員の持っている情報を各委員から積極的に提供してもらうことを確認した。

 次回は現地視察とする。コースについては庶務が意見を収集し決定する。
−2回に分けて行うこととした。1回目と2回目は出来るだけ間を空けずに実施する。
−第1回は、9月第1週頃に行う。
−現地視察の次の委員会は和歌山市以外で行う方向で調整する。
 

6.インターネット中継について

 庶務より報告を行い、インターネット中継については費用等のこともあるので当面行わない方向で確認された。
 

7.一般傍聴者からの意見

  • 現地視察は歓迎。是非紀の川流域全体を見て欲しい。
  • 紀伊丹生川ダム調査事務所は、事前調査を実施しているが続けていけば環境アセスそのものになるのではないか。流域委員会でダム事業の実施が決まるまで事前調査をやらないのがモラルではないか。
    それに対する事務所の見解を説明すること。
  • 実際に釣りをしている漁業関係者が委員の中にいないのが残念である。現地では是非このような人たちの話を聞いて欲しい。
  • 大滝ダムの効果について、河道流下能力というわかりにくい言葉ではなく、吉野町が示している効果の事例にならって紀の川の基準地点(船戸・橋本)で説明して欲しい。
  • 大畑才蔵の新田開発など生産能力を高めた事例があるのでそのようなものも説明して欲しい。
  • 6月18日〜20日の出水において北又橋が流出したのは98年の台風による倒木によるものである。北又橋は生活道路であるため、早急な復旧を願っている。
  • 緑のダム造りについて考慮をして欲しい。
 

8.次回の審議内容

 次回は現地視察とし、その後の開催内容は下記のとおりとする。
  • 紀の川の現状(利水・環境
  • 大滝ダムの現状
  • 紀伊丹生川ダムの現状

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