1. ガードレール等の機能について |
- 防護柵(ガードレール)は、進行方向を誤った車両の路外逸脱の防止、乗員傷害の最小限化、車両の進行方向復元などにより交通事故の防止を図るための重要な施設です。
- 落下物防止柵※)とは、道路からの落下物による危険を防止するために設置されるフェンス等を指します。
(※:一般的には、危険防止柵や、投棄防止柵とも呼ばれているものです。 「防護柵」がいわゆるガードレールを含む車両を対象とした構造物の総称であるため、これと区別するため、ここでは「落下物防止柵」と呼びます。)
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2.ガードレール等の強度等について |
- 事故現場のガードレールが想定している衝撃等は次のようなものです。
対象物の質量(重量) |
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25,000kg (25トン) |
対象物の速度 |
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時速 45km (秒速 12.5m) |
入射角(衝突角度) |
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15度(柵との平行線を基準にした衝突物体の方向との角度) |
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⇒ エネルギーは、約130kJ(キロジュール)です |
- 落下物防止柵には次のような衝撃を想定して設計されているものがあります。
対象物の質量(重量) |
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300kg (0.3トン) |
対象物の速度 |
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時速 60km (秒速 16.7m) |
入射角(衝突角度) |
: |
15度 |
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⇒ エネルギーは、約 2.8kJ(キロジュール)です
(この値は、ガードレールの約2%(1/46)相当) |
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3.事後現場の状況(速報のため、変更があり得ます) |
- 事故現場では、トレーラー横転事故によりガードレールが完全に折損してしまっていますが、折損のしていく過程で、衝突のエネルギーを吸収し、路外逸脱、すなわち、現場での橋梁からの落下という事態が回避されたことから、その機能を発揮したものと考えられます。
- 一方、ガードレールの状況から、想定を上回るような衝撃が加わったものと考えられますので、落下物防止柵では今回のような車両の衝突にともなう積載物(数百kgと見られる丸太、約30本)の落下の衝撃を受け止めることは難しかったと考られます。
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4.今後の落下物による事故防止について |
- 和歌山河川国道事務所では、今回の事故を踏まえて、特殊車両通行許可制度の一層の厳格な運用を行っていくとともに、関係機関と共に落下物による重大な事故防止について検討を進めて参ります。
- 落下物による事故防止について、今後ともドライバーや事業者の皆様、関係者の皆様のご理解とご協力をお願いします。
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