平成22年秋に、六甲山において初めてナラ枯れ被害が確認されました。このホームページでは、近年問題となっているナラ枯れの概要と、六甲山でのナラ枯れ被害および対策状況について報告します。
今後、ナラ枯れの拡大が予想されるため、被害状況の把握へのご協力をお願いいたします。
カシノナガキクイムシが媒介するナラ菌の影響により、樹木が急激に枯死する病気のことです。コナラ、ミズナラ、アラカシ、コジイなどのブナ科の樹木が感染します。
兵庫県では、北部の但馬地方を中心に被害が発生していましたが、被害は北部から南部へ拡大しています。近年は但馬地域を越えて、丹波地域や宍粟市、川西市で被害が発生したほか、平成22年には六甲山でも初めて被害が確認されました。
カシノナガキクイムシが害をあたえるのは、ブナ科の樹木全般です(「T. 六甲山のナラ枯れ被害」を参照)。六甲山では、コナラ、アラカシなど、合計17種類のブナ科の樹木が確認されています。この内、生育本数が多くまた大径、高木となって森林を形成している下記の樹木が、ターゲットにされやすいと考えられます。ただし、ブナ・イヌブナはカシノナガキクイムシの侵入を受けますが、これまで枯死は確認されていません。
種名 | 種名 | 学名 | 感染 | |
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クリ属 | クリ | Castanea crenata | ○ | 感染する |
シイ属 | コジイ | Castanopsis cuspidata | ○ | 感染する |
スダジイ | Castanopsis cuspidata var. sieboldii | ○ | 感染する | |
マテバシイ属 | マテバシイ(植栽) | Pasania edulis | ○ | 感染する |
コナラ属 | アカガシ | Quercus acuta | ○ | 感染する |
クヌギ | Quercus acutissima | ○ | 感染する | |
ナラガシワ | Quercus aliena | ○ | 感染する | |
アラカシ | Quercus glauca | ○ | 感染する | |
ミズナラ | Quercus mongolica var. grosseserrata | ◎ | よく感染する | |
シラカシ | Quercus myrsinaefolia | ○ | 感染する | |
ウバメガシ | Quercus phillyraeoides | ○ | 感染する | |
ウラジロガシ | Quercus salicina | ○ | 感染する | |
コナラ | Quercus serrata | ◎ | よく感染する | |
アベマキ | Quercus variabilis | ○ | 感染する | |
ツクバネガシ | Quercus sessilifolia | ? | 事例がない | |
ブナ属 | ブナ | Fagus crenata | △ | 感染するが枯死しない |
イヌブナ | Fagus japonica | △ | 感染するが枯死しない |
六甲山全体に広がる夏緑高木林の優占種。
表六甲の山麓に広がる常緑高木林の優占種。
コナラと共存。深く割れた、コルク質の幹が特徴。
再度山大竜寺など残る照葉高木林の優占種。
摩耶山天上寺跡などの高海抜域に大木があります。
六甲山の西端、鉢伏山付近にまとまってあります。