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六甲山におけるナラ枯れ被害と対策

U.ナラ枯れ被害木の特徴

ナラ枯れ被害木※1の見つけ方

遠景から見つける

 カシナガの被害を受けて枯死した樹木は、夏の深緑の頃にひときわ目立つ紅葉(実際は枯れ葉)となります。周りの木々が青々と茂っている中で、葉の色が変色している木を見つけたら要注意です。
 カシナガの穿入を受けた樹木は、全て枯れるのではなく、大半が被害生存木※2として生き残ることがわかっています。
 冬期は、健全な夏緑樹は落葉し、ナラ枯れによる枯死木※3は枯れた葉がそのまま残ることが一般的ですが、六甲山系では12月〜1月頃に落葉する枯死木が多くみられます。

図:ナラ枯れの様子(西宮市甲山 平成28年9月)
▲ナラ枯れの様子(西宮市甲山 平成28年9月)
図:ナラ枯れ枯死木と被害生存木の割合(現地踏査結果)
▲ナラ枯れ枯死木と被害生存木の割合(現地踏査結果)

近くに寄って確かめる

 枯れている樹木がナラ枯れ被害木か確かめるためには、さらに近づいて確認する必要があります。
 被害木の場合、木の根元や穿入孔※4の周辺におがくずのような白っぽい粉がたくさん溜まっています。これは、カシナガが幹に穴を掘ることにより発生する木くずやカシナガの糞などから成る「フラス」と呼ばれるものです。
 フラスは繁殖段階によって形状が異なり、最初にオス成虫が穿入する時は繊維状、交尾後にメス成虫と孔道を掘る時は団子状、幼虫が排出する際には粉末状となり、フラスをみると、カシナガの繁殖段階がわかります。
 また、幹には直径2mmくらいの穿入孔がたくさん空いています。これらの様子が確認されれば、ナラ枯れ被害木といえます。

図:カシナガのフラスと穿入孔
▲カシナガのフラスと穿入孔
図:カシナガのフラス
▲カシナガのフラス

そっくりさん

 カシナガによく似た、ヨシブエナガキクイムシ(以下、「ヨシブエ」という。)もナラ類に穿入していることがあります。主に弱った木や枯死した木に穿入する傾向があるため、ナラ枯れの直接的な要因とはなりません。
 ヨシブエは、カシナガよりも体長が小さく、穿入孔が筒状に盛り上がるのが特徴です。

図:カシノナガキクイムシ
▲カシノナガキクイムシ
図:ヨシブエナガキクイムシ
▲ヨシブエナガキクイムシ
図:ヨシブエのフラス
▲ヨシブエのフラス

※1 カシナガの穿入を受けた木
※3 カシナガの穿入を受けて枯死した木

※2 カシナガの穿入を受けた後に枯死せず生き残った木
※4 成虫が樹木に穿入する際に作る小さな穴

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