第4回委員会について
開催概要
- 日時
- 平成23年6月7日(火) 14:00~16:30
- 場所
- 平城宮跡資料館 小講堂
- 出席委員
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委 員 9名(欠席2名)
行政委員 10名(代理出席を含む)
検討資料
配布資料リスト
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議事次第
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出席者名簿
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第3回検討委員会の議事概要について
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資料1
第3回検討委員会の委員意見とその対応について
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資料2
復原整備計画の概要
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資料3
伝統工法・材料による復原範囲について
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資料4
周回路および展示物の位置について
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資料5
利活用プログラムについて
- 別添資料 復原原案(暫定図面)※検討委員会終了後に回収
議事要旨
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第3回検討委員会の議事概要について
第3回検討委員会の議事概要が説明された。
第3回の議事概要について承認された。 -
議事概要
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(1)復原整備計画案について
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1.復原原案について
奈良文化財研究所で進捗中である復原原案の研究について、これまでの成果と今後の研究課題が報告された。
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2.復原整備計画案について
検討委員会の開催に先だって、内庭広場のレキ敷きの試作品の視察が行われた後、これまでの検討委員会における委員意見を取りまとめた資料2「復原整備計画の概要」及びその詳細を示した資料3~5が提示され、今後の基本設計に向けての条件となる復原整備の方針の説明が行われた。
最初の質問に対し、奈良文化財研究所より次のような回答があった。
- 発掘調査からは、場所によるレキの密度の違いは見られるが、基本的には荒い感じであり、平坦なものではない。
レキ敷については、発掘調査を踏まえた復原を基にしつつ、具体的な仕上げについては、今後さらに検討を進めていくことになった。
伝統工法・材料の復原範囲について、各委員より次のような意見があった。
- 築地版築の工法は、範囲を定めて人力で行い、その他は機械力を用いて効率よく施工してはどうか。
- 公園施設として整備することを前提とすると、利用者の安全確保を最優先させることをもっと強調すべきである。
- 築地回廊は、地震時の安全性確保のため、一定の間隔でジョイントを設ける必要があるのではないか。
- 築地版築は連続して施工できないので、必然的にジョイントが出来るのではないか。ただし、地震時に倒壊しないかについての構造特性は検討すべきである。
- 施工途中の公開について、木曳式や立柱式などの儀式を取り入れてはどうか。
これらの意見に対し事務局より次のように回答した。
- 具体的な施工計画が定まった段階で、人力と機械力の範囲を検討していく。
- 各委員から異論がなければ、利用者の安全確保を最優先する旨の内容に修正する。
- 次の設計段階で、具体的な構造検討に基づき、必要に応じてジョイントを入れるよう検討する。
周回路や展示物、管理柵など、利活用、管理・運営に伴う設備の設置について、各委員より次のような質問・意見があった。
- 緊急車両について、どこから進入することを考えているのか。
- 各門に段差が見られるが、バリアフリーはどうするのか。
- 築地回廊の外側に園路を設ける予定があるか。ある場合、どのようなものとなるのか。
- 身障者は築地回廊内を通行するようにすれば、内庭広場に周回路は必要ないのでないか。
- 斜路部分の周回路は亀腹の有無によっては目立つのでないか。
- 壁面のパネル展示は、雰囲気を損ないかねないので、最小限とするべきである。
- 管理柵は築地回廊が巡っているのであれば必要ないのでないか。
- 管理柵はこれまでに塀への落書きや解説板の破壊行為などの事実があることからみて必要ではないか。
- 築地回廊の外側の利活用をもっと検討すべきでないか。
- 築地回廊の外側は、一部をガラスで囲み、空調を備えて暑さ対策の休憩施設を設けるようにしてはどうか。また、内庭広場に夏期水撒き用の散水栓を設けてはどうか。
- 建物への消火設備の設置に合わせて、内庭広場の暑さ対策の散水栓の設置を検討してはどうか。
これらの意見に対し事務局より次のように回答した。
- 県道移設前は既存の北面2箇所の出入口を利用し、県道移設後は正面から見えない位置にある北門を進入口とすることを考えている。
- 南門(及び北門)を除き、各門の前後にスロープを設けて段差を解消するようにする。
- 築地回廊外側にも園路を設ける予定はあるが、具体の仕様は現在の宮跡内にある園路を基にしながら今後検討していく。
- 築地回廊内は、展示、休憩スペースとして人が留まって使用されることが考えられるので、身障者の円滑な移動を確保する観点から、内庭広場にも最低限の周回路が必要と考えている。
- 展示パネルについて、本地区の解説は行うつもりであるが、必要最小限の規模とし、かつ、意匠に配慮したものとなるよう検討していく。
- 築地回廊は複廊となり、外側で夜間に人物が留まるおそれが危惧されるため、やむなく管理柵が必要であると判断した。なお、昼間は開放し、夜間は出入口を閉めて防犯管理する考えである。
- 築地回廊の外側の利活用については、現在、利用者の通行しか考えられていないため、ふさしいものがあればご教示いただきたい。
利活用プログラムについて、委員より次のような意見があった。
- 定期的な小演示についても、簡素化せず、本格的なものに取り組んで欲しい。
この意見に対し事務局より次のように回答した。
- 大規模な演示を毎日行うのは難しく、他方、いつ来訪しても何らかの演示が行われていることが好ましいと考え、定期的な小演示の実施を記すことにした。ただし、具体的な演示方法については、演示の復原研究を含め、改めて検討していくことにしたい。
その他、各委員より次のような質問・意見があった。
- 平城宮跡は世界遺産の構成要素であるため、本地区の復原整備を含め、整備計画全体の説明を行う必要があるのでないか。
- 本地区に限らず、平城宮跡は便益施設が少ないので、平城宮跡全体として考えていく必要があると思われる。
最初の質問に対し事務局より次のように回答した。
- 世界遺産委員会には、公園全体の整備計画は既に報告済みであるが、本地区の復原整備についても、文化庁と調整しながら、説明を行うようにしていく。
以上の意見をもとに、今回資料の修正を行い、次回の委員会において復原整備計画の最終的な提案を行うこととなった。
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(2)その他
事務局より、次回委員会は7月4日に、本日と同じく奈良文化財研究所の小講堂で開催するとの連絡を行った。
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以上
内庭広場のレキ敷について、各委員より次のような質問・意見があった(当日紹介した欠席委員の意見を含む。以下同じ)。