国土交通省 近畿地方整備局

和歌山河川国道事務所


ホーム > 河川事業 > 紀の川大堰 > 紀の川大堰のふしぎ大研究!


紀の川大堰

紀の川のふしぎ大研究!
魚道の仕組み
Q/川がせき止められたら魚たちが困らないの?A/魚たちが川の中を行ったり来たりできるように堰には「魚道」という通り道がつくられているんだよ。

 魚は種類によって川の流れ方や深さの好みがあるのを知っていますか。紀の川大堰(おおぜき)では、新しい魚道ができて、いっそう魚がすみやすくなります。
 魚道は新六ヶ井堰(しんろっかいぜき)にもつくられていましたが、急な階段(かいだん)のようになっているので、泳ぐ力のない魚たちはのぼることができませんでした。
 紀の川大堰ではこんなことがないように、自然のせせらぎのように浅くておだやかに流れるもの、深いところが好きな魚のためのもの、ゆるやかな階段式のものと、3種類の魚道をつくっています。
紀の川大堰の魚道

1.新六ヶ井堰(しんろっかいぜき)の魚道 罫線
急な階段(かいだん)のようになっているために、水が多いときは勢(いきお)いが強くなり、水が少ない時は段差(だんさ)が大きくなって魚がのぼりにくくなっていました。

2.3種類の魚道
罫線
魚の種類によって、川の流れ方や、深さの好みなどが違(ちが)うので、いろいろな魚が好きな魚道を選べるように3種類の魚道がつくられています。

説明図

1 デニール付バーチカルスロット式魚道
  仕切りや壁(かべ)をつくって流れを調節しています。速い流れにすむ魚や深いところが好きな魚のためにつくられています。
デニールボックス
1つの箱の中で水流の速さが分かれていて、魚は好きな速さを選ぶことができます。
2 階段式魚道
  ゆるやかな階段式(かいだんしき)で、水が少ない季節などでも水がなくならないように底の板を動かして水を流すしくみになっています。
3 人工河川式(じんこうかせんしき)魚道
  まるで自然のせせらぎのようにあさくておだやかな流れです。エビやカニなどがすんだり、多くの種類の魚が利用します。

●呼(よ)び水水路
魚を魚道の入り口に導(みちび)くための水路です。
●魚道観察室
魚道を通る魚のようすが観察できます。

3.魚道を通る魚たち
罫線
●サツキマス
写真9月ごろに卵(たまご)を生んで、12~1月に、川をくだった後、次の年の4~6月にまた、卵を生むためにのぼってきます。
●ウナギ
写真川をくだり、海で卵(たまご)を生み、卵がかえると、数年後にシラスウナギになって、川をのぼってきます。
●ヨシノボリ類
写真5~7月に卵(たまご)を生んだ後、数カ月を海ですごしてから、夏ごろに川をのぼってきます。
●アユ
写真9~11月に卵(たまご)が生まれ、次の年の3~5月に、7~8cmの子どもが川をのぼってきます。
写真●モクズガニ
川にすんでいますが、9~11月には川をくだって、海で卵(たまご)を生みます。

<<戻る 次へ>>