国土交通省 近畿地方整備局
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> 紀の川大堰のふしぎ大研究!
環境対策
自然の川では、流れが場所によって変化したり、川底にいろいろな大きさの石や砂(すな)、泥(どろ)などがあります。岸部には草や樹木(じゅもく)が茂(しげ)り、水面 に影(かげ)をつくったり、さまざまな空間が用意されています。川の生きものはそれぞれの条件(じょうけん)にあった環境(かんきょう)のなかで生きています。
しかし、堰(せき)をつくることによって環境が変わると、生きものがすめなくなることもあります。
紀の川大堰(おおぜき)では、堰をつくることにより失われる自然環境を新しい場所につくりなおしています。
1.タイワンヒライソモドキ(カニの希少種
(きしょうしゅ)
) の引越
(ひっこし)
タイワンヒライソモドキは新六ヶ井堰(しんろっかいぜき)近くの汽水域(きすいいき)(真水と海水が混(ま)ざるところ)にすんでいました。しかし紀の川大堰(おおぜき)で水をせき止めることにより、海水が混ざらなくなってしまうので、同じ場所ではすめなくなってしまう危険性(きけんせい)がありました。
このため、紀の川大堰下流にタイワンヒライソモドキの新しいすみかをつくり、引越(ひっこ)しさせることにしたのです。また、これまでタイワンヒライソモドキがすんでいたところを調べてみると、真水のわき水がしみでていた所もあったので、同じ環境(かんきょう)をつくるためにパイプを通 して真水(地下水)が流れるように工夫しています。
2.干潟
(ひがた)
を守る
干潟とは川の流れによって山から運ばれてきた砂(すな)や、潮(しお)の満ち引きによって運ばれてきた細かい砂や泥(どろ)が積もってできた平地のことです。泥だらけの場所に見えますが、干潟には多くの底生動物(貝など)がすんでいて、水のにごりの原因(げんいん)にもなっているプランクトンをエサにしており、水をきれいにする役割(やくわり)を果たしています。
また貝などのフンをカニ類がエサとし、さらにカニ類を鳥たちがエサにするというふうに、干潟の中ではさまざまな生きものが関係しあって生きています。
紀の川大堰(おおぜき)をつくるにあたっても、この貴重(きちょう)な干潟をできるだけ残すようにしています。
3.ワンドをつくる
川の本流からはずれて、少し流れがゆるやかで池のような場所のことを「ワンド」と呼(よ)んでいます。流れがゆるやかなので、水ぎわの植物がよく育ち、多くの昆虫(こんちゅう)や魚のすみかとなります。
紀の川大堰(おおぜき)周辺では、人の手でこのワンドをつくり、多くの生きものにとってすみやすい場所を提供(ていきょう)しています。また、川底を掘(ほ)る場所(紀の川大堰で多くの水を貯めるため)には、ヨシやオギなどの河原によく見られる植物が多くあったため、これらの植物についてもこのワンドに移(うつ)しかえを行いました。
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