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紀の川流域委員会NEWS!


第9回 紀の川流域委員会

日時: 平成14年6月12日(水)
14:00〜17:00
場所: JAビル本館 5F 大ホールA室
国土交通省近畿地方整備局

村井調査官(国土交通省近畿地方整備局河川部河川調査官)
   紀伊丹生川ダム建設計画ということでご報告させていただきます。お手元に「参考資料-1」あるいはその記者発表資料の「参考資料-2」というのをお配りしてございますが、前の画面を使わせていただきまして、説明させていただきます。

  <<参考資料−1 説明>>

中川委員長
   どうもありがとうございました。それではただいまの近畿地方整備局の説明に対しまして何かご質問等ございませんでしょうか。

上本委員
   今お話をお聞きした中で、最後の今後の対応方針で「今後については近畿地方整備局の事務評価監査委員会にご意見をうかがうことといたします。」ということになっておりますが、これは、治水も利水も含めて検討いただくという解釈でよろしいのですか。

村井調査官(国土交通省近畿地方整備局河川部河川調査官)
   はい。ダム事業についての評価をいただくということになります。

上本委員
   どうもありがとうございました。

中川委員長
   小川委員、どうぞ。

小川委員
   「水がいらなくなったからもうダムは造らない」という話なのですが、それは、何年も前から言っていたことではなかったのですか。それは何も今さらという感があるのと、この前から「Duet」では、治水のことを一生懸命おっしゃっていたと思います。「治水は大事だ。」とか「洪水が危険だ。」とかということをずっと言われていたのですが治水はどうなってしまったのですか。

村井調査官(国土交通省近畿地方整備局河川部河川調査官)
   今回の「事業継続は困難」ということになった状況については、先ほどもご説明致しましたようにダム事業審議委員会で「建設は妥当」ということでありますけれど、2つの意見がついていました。審議会の意見を受けてそれぞれについて、調査をさせていただきました。その過程の中で、水利用についても利水者に確認をして水需要が減るということが確定しました。その様な状況の中で利水と環境の両方を含めて、いろいろ考えた結果、総合的に考えて、「事業継続は困難」という判断をしたということでございます。治水の重要性というのは当然あると思います。その治水の重要性ということについては、今後、この紀の川流域委員会の場でどの様な代替案があるのかということについて、検討していただいて皆様のご意見をうかがいながら考えていきたいと考えてございます。

中川委員長
   よろしいですか。他に何かご意見はございませんか。

神吉委員
   この紀の川流域委員会で環境の検討の時が来たら言おうと思って、今まで言わなかったので、別にお答えいただかなくてもいいのですが、今後のために私の意見ということで、気になることを1つだけ言わせていただきます。文化財の扱いという説明があったと思います。指定されている1つ1つの岩とか、ポイントが沈むかどうかということを問題にされていましたが、そういうものではないだろうと思います。全体として1つの文化財としてみるべきものであり、岩や穴や各々の所は、それ1つをとって見ると世界的に珍しい岩や地形の質があるというわけではありません。谷沿いにいろいろな名所を見立てていった文脈やその考え方、それが絵画や浮世絵などのいろいろな文化に及ぼした影響なども含めて考えるべき資産なのです。最近このようなものを世界的に「文化的景観」と呼びます。そういう意味でとらえると、3つか4つ沈むのはいいかというとそういうことではないわけです。先程の説明では1つ1つが沈むかどうかという形で評価されています。結果としてダムは造らないことになりそうなので、そういうことは起こらないのかと思いますが、そういう評価の仕方は、あの文化財に対しての評価としては、前から非常に不十分だと思っておりました。ですから、この委員会でそういう話が出てきたら、一度それを考えたいと思います。その辺をこの機会に一言申し上げておきたいと思いました。

中川委員長
   これから検討していく上で非常に重要な視点をご指摘いただいたと思います。今後、治水・利水・環境とからめたメニューが出て参りますが、その時に今おっしゃったようなご議論を願えれば非常にありがたいと思います。他にご意見はございませんでしょうか。

岩畑委員
   早々にダム中止の発表をいただきまして、私個人的にはまた我々反対運動に携わってきた者は非常に喜んでおります。ありがとうございました。私がこの委員会で、当初から説明していた「水がいらない、環境には非常に負かが大きい」ということに対して早い形の回答を得られたということは委員会にとって非常に嬉しいと思います。しかし、記者会見で行われた説明にもありますように、水利用と環境の2点の事項について真摯に検討を進めた結果ということなのですが、ダム審議委員会の時の答申は守屋委員長でしたが、「治水・利水の効果の大きさからみてやむを得ない。」と考え、「ダム工事は妥当である。」となっていました。環境は非常に重要なことであるけれども、治水・利水の効果の大きさからみて、やむを得ないということで結論を出しています。そして、このダム審議委員会ができる以前から、私が委員会でもお配りさせていただきましたこのチラシのとおり環境について非常に重要であると言ってきました。水没するという件に関しては、ダム審議会がたち上がる以前である4年も前から、和歌山県の審議委員会へ地元の方と何度も請願、嘆願にうかがっています。私達が、2年間何度も足を運び、審議委員会の方にも陳情にいったにも関わらず、国土整備局からはそこに対する回答ならびに配慮した回答を何もいただいていないのです。そして、近畿地方整備局が初めて地元の方に説明したのがこの「Duet」の第1号であり、「紀の川は非常に暴れ川であり、治水においてダムが必要である。」と説明されています。治水でダムが必要であるということをハッキリうたっているわけです。そして、全国的にダム計画で言われることは、今問題になっている川辺川しかり、吉野川しかりで、「全て日本一危険な川である」ということでダムが必要なのだということを主張してきています。この紀伊丹生川ダム建設計画についてもしかりです。だから、それがこういうかたちで「Duet」にも現れてきています。また、この委員会においても説明当初、治水論から入り、そういうことで基本高水に対してダムが必要なのだと。大滝ダムしかり、紀の川大堰しかり、そしてその支流である紀伊丹生川にダムが必要なのだと。そういうことを懇々と何年にも渡ってあなたたちは説明しておきながら、突然、「水がいらなくなったから中止します。」と言っています。我々一般市民は、「費用対効果的に」ということを聞けば、「ああ、なるほどそうか。」ということがよくわかります。しかし、基本的に整備局がダムを造る計画については、全国的にいつもはじめに言うことは「治水なのだ、危険なのだ。」ということでダム計画をやっているのです。ですから、この治水を含んだ意味合いを何らかの形でわかりやすく説明していただきたいと思います。6月11日の新聞記事に部長のコメントが出ておりますけれども、そのことは1つも載っていません。まして、「地元の反対運動とは全く関係ない。」とコメントしております。「全く関係ない。」とはどういう発言ですか。坪香部長。「そういうことは全くなく、ただ水需要の減少に基づき中止するのだ。」ということです。それであれば水あまり現象は全国どこでも言われているし、環境ということはみんなが言っているので、そういうことにおいて、もう少し、私達にとってわかりやすい説明を速やかにお願いします。

坪香部長(国土交通省近畿地方整備局河川部長)
   岩畑委員に、心からお詫び申し上げたいと思います。前回私どもの河川調査官に対しまして、非常に厳しいご指摘がございました。我々としては日頃から十分に委員会に対応するように努力していたつもりではありましたが、「極めて不十分な状況である。」というご指摘ではなかったかと思います。この件に関してこころからお詫び申し上げます。また、我々としては、従来から一生懸命やっているつもりであり、これからもそういう対応を続けていくことと心得ておりますが、結果として十分なる対応ができない場合も考えられます。つきましては、そういう場合には、十分なるご指導の程をお願い申し上げたいと思います。また、もう一つ、今、ご質問がありましたので、岩畑委員にとって十分なる回答になっているかどうかはわかりませんがお答えしたいと思います。私は、紀伊丹生川ダムについていろいろなご意見があるということは十分に承知しているつもりでございます。反対をされている方、あるいは環境についてのご意見をもたれている方はたくさんおられることは十分に承知しているつもりでございます。また多くの方たちの意見をお聞きして、整備計画を作るために当委員会が設立されているということも承知しております。事業継続が困難であるという結果に至ったことにつきましては、先ほど河川調査官が説明した経緯の結果であるということについては、改めて申し上げるところではないと思います。今後、この紀伊丹生川ダムについての事業継続が困難ではありますが、先ほど言われました治水について、非常に重要であるという認識については、我々も十分そういうふうに思っているわけでございまして、紀の川の流域委員会の各般の委員のご意見をお聞きして、治水対策に十分なる対応ができるように我々も知恵をしぼって対応策を考えていきたいと思っておりますのでよろしくお願いしたいと思います。

中川委員長
   岩畑委員よろしいですか。

岩畑委員
   もう一つあります。この発表の前日、私はマスコミ関係者から聞いて、どういう発表、また、どこでやられるのかを再三、整備局の方に問い合わせをかけているにも関わらず、「そういうことは知らない。」と言っていました。白々しく。ウソばっかり言ってるでしょう、あなたたち。前回の委員会の時に「昭和49年度の基本方針が生きているから当然、修正見直しのダム計画案を発表します。」と言ったのは誰ですか。誰があのとき発言しましたか。私は議事録を見ていないのでわからないですが。あの発言、誰ですか。坪香部長、あなたですか。あなたは、近畿地方整備局の立場的にどういう立場なのですか。新聞では部長ということになっていますけれども。何十年も引きずってきた公共事業で、今、社会的に非常に関心の高いことに対して、やるかやらないかとこういうことに住民を巻き込んだ議論が奮闘している中で、1ヶ月前に、こういうことの結論がわからないということはどういうことですか。結局全く知らないからでしょう。だから私が質問すればあなたが「発表します。」と言った訳です。「ダム計画を発表します。」とあなたは言っているわけです。それが、1ヶ月足らずで、こういう発表があるということは、あなたはこういう計画に全くタッチしていないわけですか。こういうことを誰が決めるのですか。それと何回聞いても、こういう発表があるかわからない、内容等もわからない。発表があることすらわからない。そんなばかげた話がどこにある。そして私が前日、全国の関係者の方から、「おめでとう、頑張ってよかったね。」という電話をどうして友人からもらわないといけないのですか。「私は知りません。私は整備局に問い合わせてもそういうことはありません。どこで発表するのか私どもはわからない。」ということをみんなに返答しました。にもかかわらず全国からお祝いの電話をいただいて、「明日発表があるらしいなよかったな。」と。どうして私が委員として積極的に参加させていただいて、一所懸命考えている人間がそういうことになるのですか。おかしいでしょう。マスコミの方が勝手に解釈をして、電話をしたのだから、こちらは関係ないということだろうとは思うのですが、私もただ、一般市民的に新聞を読んで電話をしているのではないのですから、それなりの見解の発表というのですか、それなりのことをやはり速やかに連絡事項としてやってもらわないと困ります。この件についてどう思いますか。

坪香部長(国土交通省近畿地方整備局河川部長)
   行政の経過について、ここで申し上げるということは控えたいと思います。我々としてはこれから「事業継続が困難である。」ということを前提にして、例えば本日、流域委員会が開催されますので、そこでご報告をさせていただきます。それから、事業の取り扱いについては、「近畿地方整備局の事業評価監視委員会におかけします。」という手続きをふみたい。それから「水没を予定されていた方々には十分に誠意をもって、説明をさせていただきます。」こういうことを記者発表させていただいたということでございます。今、いろいろとご指摘がございましたが、その点について、我々として、不十分なところがもしもあったのであれば、それはお詫び申し上げます。

中川委員長
   今日、これを報告されたというのは近畿地方整備局としての紀伊丹生川ダムというものに対しての取り組みといいますか、今回の河川整備計画のメニューとしては、これを取り上げないと言いますか、提案しないということです。ということは、今後我々がこの流域委員会で例えば、今やっておりますような対象洪水を選定して、それに基づく、整備のメニューを議論していただいて、それで整備計画案を作っていくのですが、その中のメニューからはずすということです。と言いますのは、あくまでも私の解釈ですが、整備計画案というのは流域委員会でいろいろとご検討願っているのだけれども、整備されるのは、近畿地方整備局であり、管理者側から案が出てきているという筋なのです。だから、その中に紀伊丹生川ダムを入れないというか、ダム計画は中止するという形でご検討願いたいということだと思います。それで、この委員会としては、そういった認識の基で、今後進めさせていただいてもいいかどうかということをおはかりしたいということなのです。よろしいですか。いいやそうではなく、「今後、治水を検討していけば、ダムの必要性が出てくるからそれはやめておけ。」とおっしゃるなら、これはまた別な話です。そのメニューがいくつも出ると思うのです。実際に治水だけ考えても、治水の対策案というのはいくつも出てきます。先ほどおっしゃったように「治水というのは非常に重要だ。そのウエイトが大きいからということでダムを考えてきた。」というのですが、それは事情が違いまして、今おっしゃっている紀伊丹生川ダムというのは、この委員会ではそれをメニューにして提案したことはないのです。0から出発というのはそういうことなのです。だから、それに変わる例えば対象洪水というのも工事実施基本計画におけるような基本高水を対象として検討しているわけでもありません。ですから、段階計画の整備計画を議論する場合に、いくつかの治水対策案がメニューとして出てくるでしょうけれども、これから出てくる案について、皆様で考えていただくわけですが、その中にダムは含まれないということでよろしいでしょうか。例えば、必要な治水対策としてダム以外のものを考え出しましょうということになると思いますが、「それはそういう認識でよろしいですか。」ということなのです。皆様に賛否というかご意見をうかがいたいということなのです。どうしてもそれで治まらなかったらダムを造ろうということになるのですが、それは計画案を提示する近畿地方整備局つまり河川管理者側が「それを出さない。」と言っているわけですから、そこをお認めいただくかどうかということだと思います。

岩畑委員
   委員長のおっしゃっていることは非常によく理解できます。そういう形でやられたら私も良いと思います。私が言っているのは整備局の方が「ウソを言わないでほしい。」ということを何回も言っているのです。ここだけではないのです。日本全国うそばかり言い続けているから、私のこの腹立たしい発言になるわけです。現実に、私にもウソを言っているではないですか。1ヶ月前に今も言ったように「計画を発表する。」ということを言っておいて、また「中止する。」と言っている訳です。そういうことを言わないでほしいと言っているのです。「今、慎重に審議を進めてどうこうしている。」とか「新聞にもマスコミにも発表はああいう形になっているけれども。」とか言いようかあるでしょう。ですから「私は信用できない。」と言っているのです。信用できないので委員会に言って聞いても、こんな事ばかりだったら、私自身が信頼できないではないですか。それを申し上げている訳です。だから、淀川委員会でもそうです。新聞にも書かれていますが、「○○があればダムを辞める。」のだと。これは宮本所長が言っていることだと思うのだけれども、宮本所長は、苫田ダムで何をしたのですか。私は知っているから言う訳です。苫田ダムで彼が所長をやっていた時にどういうことをやってきたかということです。それが今淀川流域委員会で所長をやっているからその様な発言だと思うのだけど、「そういうウソを言われると困る。」ということを私は言っているのです。真摯に答えていただきたいのです。新聞に書いている時は「そういう付帯事項に関しては、真摯に粛々と考えるとこうなった」という発言をしているのだから、私が発言したことに対しても真摯に答えてください。

坪香部長(国土交通省近畿地方整備局河川部長)
   事実の経過の中で、私は前回に「河川管理者として報告致します。発表致します。」と申し上げましたが6月ということを言った記憶はございません。ただ、そういうふうに印象づけられていて、今回そういうご認識をもたれたということについては、私の説明が不十分であったということかもしれませんので申し訳なく思っております。

岩畑委員
   これ以上、こういうことで、私の個人的な感情も含めて、言うと審議のさまたげになると思いますので止めたいと思います。もう一つだけ、言わせていただければ、議事録に、抹消されているということは非常にあってはならないことです。前回も前々回も。発言も関係者の発言が抹消されています。だから、私は2回とも返していません。認めていませんから。みんなの方に確認して、それを何人もの方が、「実際言った。」ということを聞いているのです。そういう発言の抹消があるような一般公開という委員会はいかがなものかということです。そういうことから「不信がつのった委員会で発言しても意味がない。」ということを言っておきます。ですから、ここでその速記ならびに録音されている方も記録されている分については、ちゃんと記述して皆様に見ていただき、より透明性を高めるというのが今の日本にとって、みんなが話し合いをする必要条件なわけです。ですから、これをちゃんとやっていただかないと困ります。これはお願いしておきます。以上です。

上本委員
   先ほど今後の対応方針ということで少しお聞きしたのですが、今話の中で治水については、別の対応でやっていく形になるかと思うのですが利水についてはどういう形で行なっていくのでしょうか。

村井調査官(国土交通省近畿地方整備局河川部河川調査官)
   利水につきましても大阪府、和歌山県といろいろ相談致しながら、考えていかなければならないと思っています。その中で流域委員会に関係してくることも出てくるかも知れません。

上本委員
   どうもありがとうございます。


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