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- 平成18年度 - |
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紀の川汽水域大型底生動物生態把握調査速報(7月) |
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【7月調査項目】 |
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表1 調査実施内容
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(1)大型底生動物生息分布調査 |
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1. 調査方法 |
図1 イドミミズハゼ |
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■大型底生動物調査 |
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汽水域に生息する大型底生動物の分布状況を把握するため、目視や手網・ハンドスコップ等を用いて採集を行った。 |
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■イドミミズハゼ調査 |
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イドミミズハゼの分布状況を把握するため、ふるい、ハンドスコップ、シャベル等を用いて採集を行った。 |
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2. 調査結果 |
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●確認された大型底生動物の一覧を表2に、魚類の一覧を表3に示す。確認された大型底生動物は18目22科87種で、魚類は8目12科36種であった。昨年度の調査と比較すると、軟体動物の種数が減少しているが、全体ではほぼ同じ種数が確認された。 |
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●イドミミズハゼ調査では、イドミミズハゼが南海橋〜北島橋間の右岸で2個体確認された。採集場所では大型の礫下に湧水が見られた。 |
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表2 確認された大型底生動物の一覧(大型底生動物調査)(7月)
表3 確認された魚類の一覧(大型底生動物調査)(7月) |
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(2)シオマネキ類調査 |
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1. 調査方法 |
図2 シオマネキ(雌) |
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シオマネキ類(シオマネキ、ハクセンシオマネキ)を目視観察し、雌雄別の個体数を記録する。 |
2. 調査結果 |
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シオマネキは450個体(雄215、雌182、雌雄不明53)が確認され、ハクセンシオマネキは1,492個体(雌1,100、雌392)が確認された。シオマネキについては、昨年度と比較して大幅に増加しており、ハクセンシオマネキについては、昨年度と比較して少しの減少が見られた。 |
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(3)干潟生物環境調査 |
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1. 調査方法 |
図3 チゴガニ |
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■底生動物調査 |
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調査箇所毎に1測線を設置し、測線上の3箇所で定点を設置した。定点において採泥を行い、個体数の確認を行った。 |
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■魚類調査 |
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小型地曳網を曳網し、種毎の計数を測定した。 |
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■底質調査 |
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干潟表層の底質を採取し、COD、強熱減量、粒度組成、硫化物等の分析を行った。 |
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2. 調査結果 |
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●確認された底生動物の一覧を表4に示す。底生動物は11目16科22種が確認された。個体数が多かった種は、ゴカイ科のHediste属、コケゴカイ、スナガニ科のチゴガニなどであった。また、底生動物は上部では個体数、種類数とも少なく、下部ほど豊富であった。 |
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●確認された魚類の一覧を表5に示す。魚類は6目14科23種が確認された。そのうち、汽水・海水魚は15種、純淡水魚は6種、回遊魚は2種が確認された。 |
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●底質調査の結果を表6に示す。どの干潟においても、昨年度と大きな変化は見られなかった。 |
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表4 確認された底生動物の一覧(干潟生物環境調査)(7月)
表5 確認された魚類の一覧(干潟生物環境調査)(7月)
表6 底質調査結果(干潟生物環境調査)(7月) |
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(4)タイワンヒライソモドキ移植地事後調査 |
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1. 調査方法 |
図4 タイワンヒライソモドキ |
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■生息状況調査 |
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移植地内において、2測線設置し、測線に50cm×50cmのコドラート(方形枠)を置き、その中のタイワンヒライソモドキを採集した。 |
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■繁殖状況調査 |
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タイワンヒライソモドキの生息密度の高い任意の場所に50cm×50cmのコドラート(方形枠)を置き、その中のタイワンヒライソモドキを採集した。 |
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2. 調査結果 |
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●生息分布調査において、生息密度と分布面積からの移植地の推定個体数は、合計7,405個体であった。 |
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●繁殖状況調査では、雄173個体、雌125個体、抱卵個体76個体、雌雄不明1個体の合計375個体が確認された。 |
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(5)大堰ミティゲーション効果調査 |
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1. 調査方法 |
図5 ヤマトオサガニ |
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■底生動物調査 |
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調査箇所毎に定点を設定し、それぞれの定点において採泥を行い、底生動物を採集した。 |
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■魚類調査 |
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小型地曳網を曳網し、種毎の計数を測定した。 |
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■底質調査 |
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干潟表層の底質を採取し、COD、強熱減量、粒度組成、硫化物等の分析を行った。 |
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■底生生物ブロック調査 |
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ミティゲーション施設内を底質、地盤高、植生などの違いによりに区分分けし、区分毎の底生動物の出現種数を整理した。 |
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2. 調査結果 |
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●底生動物調査で確認された底生動物の一覧を表7に示す。底生動物は7目8科10種確認され、個体数が多かったのはゴカイ科のHediste属であり、次いでヤマトスピオ、チゴガニなどであった。指標種のうち、個体数が多いチゴガニ、ヤマトオサガニ、トビハゼの3種は造成部分に比較的広く分布していた。 |
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●魚類調査で確認された魚類の一覧を表8に示す。魚類は汽水・海水産種に加え、カマツカ・ニゴイ・タモロコなどの純淡水魚など4目6科12種確認された。 |
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●底質調査の結果を表9に示す。底質は上部から下部にかけて粒径が細かくなっており、この基質を反映して、有機物の含有量を示すCOD、TOC、強熱減量などが下部ほど高い値となった。 |
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●底生生物ブロック調査で確認された底生動物と魚類の一覧を表10に、ブロック毎の確認種数を図6に示す。底生生物ブロック調査による確認種数は、12目23科50種であった。ブロック別にみると、捨石が20種以上と多く、次いで、砂礫泥と礫帯が18種と多かった。一方、法面では7種と少なかった。 |
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表7・8 底生動物調査で確認された底生動物・魚類の一覧(大堰ミティゲーション効果調査)(7月)
表9 底質調査結果(大堰ミティゲーション効果調査)(7月)
表10 底生生物ブロック調査で確認された底生動物・魚類の一覧(大堰ミティゲーション効果調査)(7月) |
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