占用許可の基本方針

(1)基本方針

  1. 河川敷地の占用は、(3)に掲げる者がその事業又は活動に必要な(4)に掲げる施設について許可申請した場合で、次に掲げる基準に該当し、かつ、河川敷地の適正な利用に資すると認められるときに許可することができるものとする。
  2. 占用の許可を行おうとする場合には、原則として、期限を定めて当該占用に係る河川敷地が存する市町村の意見を聴くものとする。また、占用による影響が広域に及ぶこと等により必要がある場合は、他の市町村又は関係都道府県の意見を聴くものとする。
  3. 占用は、その地域における土地利用の実態を勘案して公共性の高いものを優先するものとする。
 

(2)基準

1. 治水上又は利水上の支障が生じないもので、河川の形状等の特性を十分に踏まえて判断する。

2.占用は他の者の河川の利用を著しく妨げないものでなければならない。

3. 河川整備計画その他の河川の整備、保全又は利用の計画が定められている場合にあっては、当該計画に沿ったものでなければならない。

4. 河川及びその周辺の土地利用の状況、景観その他自然的及び社会的環境を損なわず、かつ、それらと調和したものでなければならない。景観法に基づく景観行政団体が景観計画に占用の許可基準を定めた場合は、当該計画に定める基準に沿ったものでなければならない。
 

(3)占用主体

1. 国又は地方公共団体

2. 公団・公社、独立行政法人等の特別な法律に基づき設立された法人

3. 国又は地方公共団体の許認可等を受けて公益性のある事業又は活動を行う者 (鉄道事業者、航路事業者、ガス事業者、水道事業者、電気事業者、電気通信事業者)

4. 水防団体、公益法人その他これらに準ずる者

5. 都市計画法第4条7項に規定する市街地開発事業を行う者又は当該事業と一体となって行う関連事業に係る施設の整備を行う者。

6. 河川水面の利用の向上及び適正化に資すると認められた船舶係留施設等の整備を行う者(船舶上下架施設(斜路を含む。)については、当分の間、公的主体等で構成する河川水面利用調整協議会が設置されていない場合には、地元市町村の同意を得た場合。)

7. (4)の7に掲げる施設を設置することが必要やむを得ないと認められる住民、事業者等及び(4)の8に掲げる施設を設置することが必要やむを得ないと認められる非営利の愛好者団体。
 

(4)占用施設

1. 河川敷地そのものを地域住民の福利厚生のために利用する施設
(例)公園、広場、運動場、キャンプ場、自転車歩行者専用道路等

2. 公共性又は公益性のある事業、活動で河川敷地を利用する施設
(例)道路、鉄道、水道、下水、ガス管、電線、鉄塔等

3. 地域防災活動に必要な施設
(例)防災用ヘリコプター離発着場又は待機施設、水防・防災倉庫等

4. 河川空間を活用した街づくりに資する施設
(例)遊歩道、階段等の親水施設、河川上空の通路、地下の道路又は駐車場等

5. 河川に関する教育及び学習または環境意識の啓発のために必要な施設
(例)河川教育・学習施設、自然観察施設、河川維持用具等倉庫等

6. 河川水面の利用の向上及び適正化に資する施設
(例)公共的な水上交通の船着場、船舶係留施設、荷揚場(通路を含む。)、港湾施設等

7. 住民の生活又は事業のために設置が必要やむを得ないと認められる施設
(例)通路又は階段、いけす、採草放牧地、排水のための施設等

8. 周辺環境に影響を与える施設で、市街地から遠隔にあり、かつ他の利用が阻害されない場合で、必要最小限の規模で認められる施設
(例)グライダー練習場、ラジコン飛行機滑空場等

 

(5)包括占用許可

河川敷地は、基本にはその周辺の住民により利用されるものであることから、その占用許可に当たっては、景観や自然環境と調和を図りつつ街づくりへの活用を図ること、及び地域の意見を十分に反映することが重要である。(地方分権推進委員会第五次勧告)

「包括占用」

河川敷地の利用について地元市町村が主体的に判断ができる制度。

1. 包括占用とは地方公共団体等が占用施設の範囲内での利用を目的として、具体的利用方法を決定することのできる占用。
2. 地方公共団体等は許可を受けた包括占用区域を第三者と契約して使用させることができる。
3. 包括占用区域における工作物の設置等を第三者が申請する場合は、当該地方公共団体等を経由する。