淀川水系

淀川水系
淀川水系
淀川は、その源を滋賀県山間部に発する大小支川を琵琶湖に集め、大津市から河谷状となって南流し、桂川と木津川を合わせて大阪平野を西南に流れ、途中神崎川及び大川(旧淀川)を分派して大阪湾に注ぐ、幹川流路延長75km、流域面積8,240 ㎞ 2 の一級河川です。

その流域は、大阪市、京都市をはじめ54 市17 町4 村(令和2 年3 月末現在)からなり、三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良の2 府4 県にまたがり、流域の土地利用は、山林等が約49%、水田や畑地等の農地が約24%、宅地等の市街地が約19%、その他が約8%となっています。

流域内には、大阪市域を核として名神高速道路・新名神高速道路・中国自動車道といった国土基幹軸や近畿自動車道・北陸自動車道・京都縦貫自動車道・京奈和自動車道・名阪国道(国道25 号バイパス)・第二京阪道路などの自動車専用道路が集中するとともに、淀川を横断する国道2 号・43 号や、河川沿いに広がる平野を縫って国道1 号・171 号などの広域幹線道路も走っています。また、大阪大都市圏を中心として、JR 東海道新幹線・東海道本線・山陰本線・湖西線・北陸本線などの広域幹線網をはじめ、阪急電鉄京都・神戸・宝塚線、阪神電鉄本線・なんば線、京阪電鉄本線・大津線、近鉄京都・大阪線などの主要都市間を結ぶ鉄道網も発達しています。

近畿圏の中心を貫いている本水系は、下流部に大阪市、中流部に京都市やその他数多くの衛星都市をかかえ、関西地方の社会、経済、文化の基盤をなしており、古くから我が国の政治経済の中心として栄え、人々の生活・文化を育んできました。また、琵琶湖国定公園をはじめとする6 国定公園と10 府県立自然公園があり、豊富で優れた自然環境を有しています。

  • 琵琶湖(南湖)と瀬田川
    琵琶湖(南湖)と瀬田川
  • 三川合流部
    三川合流部

河川整備の実施方針

 淀川水系では、これまで工事実施基本計画に基づき8つのダムを整備するとともに、流域の中でも特に人口・資産が集中している下流側から集中的に河川整備を実施してきました。この結果淀川本川では現況で計画規模の洪水が発生した場合、中上流部で氾濫が生じることもあり、計画高水位以下で洪水を流下させることができる段階まで安全度が向上しています。
 今後の河川整備についても、淀川本川における現況の安全度を堅持するため、中上流部の改修とあわせて、まずは下流部の流下能力増強につながる橋梁改築を実施し、さらに中上流部のみならず下流流量も低減させる効果を有する、川上ダム、天ヶ瀬ダム再開発、大戸川ダム等の洪水調節施設の整備を行うこととしています。これにより洪水調節施設下流の各支川の治水安全度の向上にも期待できます。

河川改修の経緯

淀川改修の経緯

明治18年 大洪水 淀川左岸堤防決壊等
明治29年 淀川改良工事着手(直轄工事に着手) 瀬田川洗堰、巨椋池と宇治川の分離、新淀川の開削、毛馬洗堰等
大正6年 大洪水 淀川右岸堤防決壊等
大正7年 淀川改修増補工事着手 本川堤防拡築、三川合流部の付け替え、木津川改修等
昭和14年 淀川修補工事着手 流量改定、堤防拡築に着手
昭和28年9月 台風13号 宇治川左岸堤防決壊等
昭和29年 淀川水系改修基本計画策定 超過確率1/100とした流量改定、瀬田川洗堰改築、天ヶ瀬ダム、高山ダムを計画に位置づけ
昭和35年8月 台風16号  
昭和40年 淀川水系工事実施基本計画改定 流量改定
昭和46年 淀川水系工事実施基本計画改定 超過確率1/200とした流量改定、淀川大堰改築、野洲川放水路、上野遊水地を計画に位置づけ
昭和63年 淀川水系工事実施基本計画部分改定 高規格堤防を計画に位置づけ
平成5年 淀川水系工事実施基本計画部分改定 大津放水路、草津川放水路を計画に位置づけ
平成19年 淀川水系河川整備計画基本方針策定 流量改定
平成21年3月 淀川水系河川整備計画策定 天ヶ瀬ダム再開発、川上ダム、淀川本川橋梁架け替え、堤防強化を計画に位置づけ
平成25年9月 台風18号 瀬田川洗堰全閉操作、天ヶ瀬ダム・日吉ダム異常洪水時防災操作
令和3年8月 淀川水系河川整備計画(変更)策定 流域治水の推進、大戸川ダムを計画に位置づけ
基準地点・主要地点および主な事業の位置図
 基準地点・主要地点および主な事業の位置図
  • 淀川大堰
    淀川大堰
  • 瀬田川洗堰
    瀬田川洗堰
  • 天ヶ瀬ダム再開発
    天ヶ瀬ダム再開発
  • 川上ダム
    川上ダム
  • 淀川 阪神なんば線橋梁架け替え
          淀川         阪神なんば線橋梁架け替え
  • 上野遊水地
    上野遊水地