新宮川水系熊野川

新宮川水系熊野川
新宮川水系熊野川マップ
熊野川は、その源を奈良県吉野郡天川村の山上ヶ岳(標高1,719m)に発し、大小の支川を合わせながら十津川渓谷を南流し、和歌山県新宮市と三重県熊野市の境界で大台ヶ原を水源とする北山川を合わせ熊野灘に注ぐ、幹川流路延183km、流域面積2,360 km2の一級河川です。

熊野川流域は、奈良県、和歌山県、三重県の3県にまたがり、5市3町6村からなり、奈良県十津川村、和歌山県新宮市、三重県紀宝町などを有しています。流域の土地利用は、森林が約95%、水田や畑地等の農地が約1.5%、宅地が約0.5%、その他が約3%となっています。

沿川には、国道168号、国道169号、国道425号、国道311号が走り、海岸沿いに国道42号及びJR紀勢本線があり交通の要衝となっています。流域の歴史は古く、大峯山や熊野三山等にみられる宗教文化の中心地としても広く知られ、「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録されているなど紀南地方の社会、経済、文化の基盤をなしています。流域内は吉野熊野国立公園、高野龍神国定公園に指定されるなど、豊かな自然に恵まれています。また、多雨量流域であることから、古くからその豊富な水量を利用した水力発電が行われてきました。
  • 熊野速玉大社
    熊野速玉大社
  • 製紙工場(紀宝町)
    製紙工場(紀宝町)
  • 熊野本宮大社
    熊野本宮大社
  • 熊野参詣道
    熊野参詣道

河川整備の実施方針

平成23年9月の台風12号による洪水は、熊野川、相野谷川に未曾有の被害をもたらしました。

平成23年9月の台風12号洪水を対象とした再度災害防止のための対策として、平成23年から河川激甚災害対策特別緊急事業に着手し、計画高水流量 19,000m3/s を安全に流下させるための河道掘削等をこれまで実施してきました。

令和3年10月に長期的な河川整備の基本方針を定めた河川整備基本方針を、気候変動の影響による将来の降雨量の増大を考慮するとともに、流域治水の観点も踏まえたものに変更しました。

河川改修の経緯

熊野川改修の経緯

明治22年8月 十津川大水害  
昭和22年 中小河川改修事業(和歌山県)  
昭和34年 台風15号  
昭和45年 工事実施基本計画策定 築堤、堤防拡築等を計画に位置づけ
昭和54年 相野谷川捷水路事業に着手  
昭和63年 鮒田水門整備に着手  
平成13年 相野谷川水防災対策特定河川事業着手
(土地利用一体型水防災事業) 
宅地かさ上げ、輪中堤整備等に着手
平成20年6月 新宮川水系河川整備基本方針策定  
平成23年9月 台風12号  
平成23年 河川激甚災害対策特別緊急事業着手 河道掘削、堤防かさ上げ等に着手
平成29年10月 台風21号  
平成31年3月 市田川流域大規模浸水対策計画策定 河道掘削等を計画に位置づけ
令和3年10月 新宮川水系河川整備基本方針変更  
令和4年3月 新宮川水系(熊野川)河川整備計画策定 流量改定、流域治水の推進
  • 相野谷川排水機場
    相野谷川排水機場
  • 大里地区輪中堤
    大里地区輪中堤