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中川委員長 |
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それでは、傍聴者の方のご意見お伺いします。
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○ |
一般傍聴者(木ノ本豊氏「紀伊丹生川ダム建設を考える会」) |
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気になっていたのですが、議事次第の予定では、審議は、4時まででしたが、現在4時20分を過ぎています。傍聴者は意見をここでしか言うことができない訳ですが、いつも時間が中途半端になり、発言は自由と言われておきながら保証されていない面があります。本日、私は手を挙げたのですが、他に発言の意志のある方は、申しわけないのですが手を挙げて頂けないでしょうか。4人ですね。私以外に4人いますので、私入れて5人です。委員長、一番最初の約束どおり、5人で30分の時間を保証していただけないでしょうか。
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○ |
中川委員長 |
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それなら、30分でよろしいでしょうか。
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○ |
一般傍聴者(木ノ本豊氏「紀伊丹生川ダム建設を考える会」) |
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はい。もう一人手を挙げていますので、1人5分程度の時間で意見を述べたいと思います。私が一番先に意見を述させてもらいますので、よろしくお願いいたします。
中川委員長と水野雅光氏のお二人が私どもの主催する会の「水郷水都全国会議」に出席していただきまして、ありがとうございました。
聞くところによりますと淀川流域委員会では、市民が初めから討論に参加する場を設定するというふうなことも聞いています。私ども傍聴者が最後に言いっ放しになることが多いので、その辺のところを研究していただきたいと思います。
それから、私は玉川漁協の理事も務めているのですが、先程、ダム事務所の所長がボーリング調査を実施されているとのことでありますが、これは漁協に不同意で強引に実施されています。新聞記事を読みますと、「紀の川流域委員会に資料を出すため」という記事がありましたが、紀の川流域委員会で中川委員長がそのボーリング調査を求めましたか。
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○ |
中川委員長 |
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私が。いいえ、求めていません。
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○ |
一般傍聴者(木ノ本豊氏「紀伊丹生川ダム建設を考える会」) |
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それであれば、この新聞記事は少なくともダム事務所が勝手に捏造していることになると思います。玉川漁協は、あくまでダム建設を前提とするような一連の調査は断り、不同意であるにもかかわらずダム事務所は強引に調査を進めております。その辺を委員の皆さんもぜひご考慮していただきたいと思いますし、アセスの法律ができない前はともかく、できたわけですから、アセスの法律に基づいて粛々と行っていただきたいと思います。そうでなければ調査が二度手間、三度手間にもなりますし、何億円というお金が無駄になってしまいます。法律があるわけですから、今後は法律に基づいて住民の声を聞きながら、あるいは地方自治体の主張を聞きながら、進めていただきたいと思っています。特に松山事務所長にくれぐれも言っておきます。以上、いろいろ言いたいことがあるのですが、それだけにしておきます。
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○ |
中川委員長 |
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次の方、どうぞ。
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○ |
一般傍聴者(石神正浩氏「紀伊丹生川ダム建設を考える会」) |
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私は、紀伊丹生川ダム建設を考える会の代表をしています石神正浩といいます。この委員会は、進め方の基本的なところで間違っていると思います。その点をもう一度この委員会の皆さんで検討して頂いて、新しく委員や役員、各省庁を加えるなり、今から説明するような方々を加えてほしいと思います。間違っているというのは、どういう点かと言うと、新河川法によって河川に大きな建造物をつくる場合等は治水・利水・環境の3つ目の環境が加えられました。環境に対する制限が加わった訳です。環境が加わったのに環境省の役人がここにおられないのがおかしいと思います。私も漁協へ時々行きますが、漁協のところに来られた国土交通省の人に対していろいろな生物的な質問をするのですが、ほとんど何も知りません。トキはなぜ絶滅したのか知らないし、昔、琵琶湖にトキがたくさん棲んでいたことも知らない。そういう役人ばかりが集まって、政府が言っている治水・利水・環境という新しい趣旨は汲み取れないと思います。ここにおられる審議委員の方の中には、かなり生物に詳しい方がおられると思います。それは認めるのですが、やはり庶務方として全部国土交通省の方が並んでおられるのではなく、これまでの省庁の縦割り形式を改善し、少なくとも3分の1は農水省、3分の1は環境省、3分の1が国土交通省というふうに組みかえしていただきたいと思います。そうしなければ、ほんとうの流域委員会をもう一度、農水省、環境省、国土交通省が共同して開催しなければならなくなるでしょう。現に同じ紀の川にありながら、大迫ダムは農水省のもので、大滝ダムは国土交通省のものであると言うように多くのダムが出来ています。流域委員会は、環境も、利水、治水もすべてを平等に考えながら進めるべきだと思います。もしそれを実行していただけないのであれば、なぜ実行していただけないのかという理由を発表していただきたいと思います。
もう一つは、文化財の問題なのですが、今、何も話題になっていませんが、松山所長が手伝って、守屋駿二委員長が行っていたダム審の高野町・北又村・丹生川・慈尊院で行われた説明会の時には名勝指定文化財問題については一番最初から始めるようになっていました。その手続きのブロックダイヤグラムは、私もビデオで撮っています。その点も考えて頂いて、ここは名勝として非常に貴重であるので、河川の安全性とかと同じぐらいそういうものを大事にしていただきたいと思います。特に和歌山はそういうところが非常に多いと思います。今度、世界遺産に指定されるよう努力しているぐらいです。まず、庶務方を農水省、環境省、国土交通省の3省で構成していただきたいと思います。それから、審議委員の中に和歌山の文化財に詳しい方にかなりの人数を加えていただきたいと考えています。以上です。
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○ |
中川委員長 |
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どうぞ
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○ |
一般傍聴者(宇佐美秀昭氏) |
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橋本市から来ました宇佐美秀昭といいます。本日、治水のお話を聞かせていただきましたが、12ページの船戸の実測流量ということで昭和28年以降で
7,800m3/sが最高で1〜7までの数字が出ているのですが、雨量観測では、明治12年から平成13年までの122年分ある訳です。先程、基本高水流量が16,000m3/sと言いましたが、この122年の中で実際に船戸での最大流量が幾らあったのですか。昭和28年以降は恐らく
7,800m3/sが最高だと思いますが、雨量の観測は明治12年からやっている訳ですから、その間で10,000m3/sを超えたのが何回あるとか、そういう数字を出してもらい、実績がどうなのか、それに対する洪水を防ぐ訳ですから、明治12年以降の高水について流量を出してほしいと思います。これが一点。
もう一点は、前回の流域委員会で利水の問題がありましたが、紀の川は水利権では農水が80%、工水が10%、上水が9%です。それに対して、上水と工水についてはグラフで取水実績というのを出していただいていますが、80%使っている農水の実績は全然出ていません。平成13年はまだ出ないと思いますが農水も含めまして平成1〜12年までの実績を出していただきたいと思います。
官庁の方はご存じと思いますが、今年の7月に総務省が水資源開発基本計画に基づく現在の水需要の計画は高過ぎるということで7つの大ブロジェクトに対して勧告しています。20年前に計画が立てられていますが、工水や農水は減っている訳です。80%ある農水の利水に対して実績も何も出さずに、上水や工水の実績を出しても、これは20%の範囲しか実績が出ていないのです。しかも、これはグラフです。農業用水も工業用水も上水も数字で出してください。そうすれば、どれだけの水が紀の川で利用されているかわかりますので、数字をもって年ごとに出していただきたいと思います。以上です。
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○ |
岩畑委員 |
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どうぞ。
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○ |
一般傍聴者(時田香氏「紀伊丹生川ダム建設を考える会」) |
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橋本から来ました時田と申します。紀伊丹生川ダムの流域の住民ですが、実はこの委員会に本日、初めて傍聴させていただきました。先程も少し意見が出ましたが、ダムの話がもっと出るのかなと思いました。ダムは整備計画として当たり前なのだという流れになっていたのですが、最後の方で河川部の方が今度審議するという話だったと思います。地元の流域の人間からしますとダムができるのかどうかというのが非常に大切な訳です。どちらかと言うと洪水より私はダムが怖いんです。
最初の方で、紀の川流域というのは地質的に非常にもろくて、地すべりが多くて、土石流とか非常に多いと説明がありました。それであれば、そんなところになぜダムをつくるのかというのが素朴な住民の考え方なのです。まずそれが怖いというのと、昔から言われているのですが、紀の川というのは活断層が走っており、南海大地震が来るかもしれないという地域にあります。しかも、今造るにしてもコンクリートの耐久性とか将来的に造りっ放しでどうなるのかとかということとか、将来的なビジョンというのが一般には全然出てきていません。我々は、デュエットしか見ていないのですが、デュエットでは非常に環境に優しいダムとか何か言っているのですが、その辺もよく分かりません。
私も大滝ダムを見に行ったのですが、工事で物凄く川が汚れています。やはり汚れると思うのです。汚れない川は、絶対ないと思います。工事をやれば絶対に汚れ、恐らく何年間も汚れてかなり生態系も壊れると思うのですが、それに対するケアも何かわかったようなわからないようなものでした。先程、岩畑委員が専門家の話は難しいという話があったのですが、私もいつ見て聞いても難しく感じられます。3年も4年も汚れた川をどうやってもとへ戻すのか一般の人間にわかりやすい説明というのを何らかの形で行ってほしいと思います。
それと、高水とかそういう話からいつも数字がどうのこうのという話が大半になり、毎回そういう話で、それが昭和47年の数値とか30何年の話とかということになっています。実際ここで審議されている話というのは20年、30年先の話、計画という話なのですが、我々からしたら子々孫々まで自然を伝えていきたいという観点からすると、100年先まで考えていただきたいのです。そうすると本当にダムというあのコンクリートで固めたあのような整備計画がいいのか、それからコンクリートで堤防を高くするというその考え方でいいのかどうかという素朴な疑問に対して、今後この流域委員会で私ども傍聴席からわかるような話、議論をしっかりしていただきたいと思います。
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○ |
中川委員長 |
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どうぞ。
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○ |
一般傍聴者(赤井一昭氏「紀の川の水をきれいにする会」) |
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紀の川の水をきれいにする会の赤井でございます。紀伊丹生川ダム建設を考える会の人がパンフレットをいつも送ってくれるものですから、その話を聞いていて、上流のことだけを考えずに下流のことを少し考えたら上流のことが省けるのではないかと思います。というのは、ダムで毎秒300m3をカットするということですが、流速は幾らですかという質問をした回答書をいただいた訳ですが、大体流速が2〜3mぐらいのようです。下流の方では河床勾配が堰によって下がっている。河床の整備等も余りやっていないようです。ですから、
500mか 600mの中で300mの幅を1m掘削すると約1,000m3/sぐらいの水量が節約されます。上流でダムをつくらなくてもいいのではないかと考えていることから質問させていただいたのです。
もう一つ、環境の問題を始めの方でご説明されたのですが、しっかりやっていただいているということがよくわかりました。ただ、河川流域の環境については、以前の資料としてお渡ししたように、春先にいろんな稚魚が遡上して上流の汚物を食べて水をきれいにしながら、秋にその汚物の固まりのようなアユとかズガニとか魚が下流へ下ってくる訳です。よく考えてみると、新六ヶ井堰の魚道が十分管理されていない。こういうことでは水質環境に非常に問題があるのではないかと思います。せっかく魚道をつくっても、それが漁業組合のアユの採集場所というか、アユをとらえるための施設に変わっていると思います。これは大変なことだと考えています。それはまた次回に意見したいと思います。
それから、国土交通省の方におっしゃってもなかなか難しいことですが、農林省が各水利組合に関係しており、各水利組合が漁業組合に管理委託しているような状態ですので、こういうものからも考えないと環境の問題がうまくいかないのではないかと考えています。
そういうことで、下流のことに話を戻しますが、河道を整備することによって相当の水量がはけることができるのではないでしょうか。それによって皆さんが一生懸命運動されている紀伊丹生川ダムも省けることができたらベターかなと考えた訳です。どうぞよろしくお願いします。
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○ |
中川委員長 |
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どうもありがとうございました。それでは、どうぞ。
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○ |
一般傍聴者(浦野穏正氏「関西のダムと水道を考える会」) |
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関西のダムと水道を考える会、浦野と申します。先程一番最初の傍聴者の方からお話がありましたが、淀川水系流域委員会ではこのような委員会の場で時間をとって傍聴者から意見、質問を聞くだけではなくて、傍聴者に対して別途時間をとりまして意見を述べる機会を与えるという試みを始めることが決まっています。明日、12月21日に、琵琶湖部会が行われますが、その琵琶湖部会の終わった後、2時間をとって一般の方の意見を述べるという場を与えるというすばらしいルールを導入されることになっています。紀の川水系流域委員会でも同様のことを、できない理由はないと思いますので、ぜひやっていただきたいと思います。明日の琵琶湖部会の意見聴取の場を昼2時から4時まで大津市のピアザ淡海で行われますので、委員の中で時間のある方はぜひ見に行くなりして、このすばらしい制度の導入に向けて動いていただきたいと思います。
第ニ点は、資料−7のところです。岩畑委員からの資料請求に対する回答というところで、3ページに和歌山県において紀伊丹生川ダムに対する本県の利水参加者の予定がないというのと、5ページに大阪府府営水道が120,000m3の計画縮小を行って紀伊丹生川ダムに対する水需要の縮小を行っているという情報公開の資料がございます。私がほかのところから聞いた話では、このようにユーザーからの水需要の減少が起こった場合にも渇水対策だと言って実際ダム計画の縮減に向かわずごまかしをしたケースがあると聞いておりますので、水需要の減少が起こった場合には必ずダム計画の縮小をやっていただけるのお聞きしたいと思います。
最後にもう一点、最初の平井事務所長のご説明の中で一番最後の26ページのところに水上オートバイの現状についてのご説明がありました。淀川部会でもかなり大きく取り上げておられました水上バイクの問題というのは水上バイクの排ガスによる第ニのダイオキシンと言ってもいいような水質汚濁の問題なのですが、先程の平井事務所長の説明には排ガスによる水質汚濁の問題を、私の聞き漏らしがなければ、一切おっしゃらなかったと思います。どういう認識でそういう説明を飛ばしておられるのか、ぜひお聞きしたいと思います。以上です。
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○ |
一般傍聴者(赤井一昭氏「紀の川の水をきれいにする会」) |
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先程江頭先生が下流へ砂が溜まると言われましたが、流失してくる砂というのは紀の川でどんなものなのですか。それを次回にお願いしたいなと思います。現況を見てみると、紀の川の河床はだんだん下がっています。そういうことも踏まえて江頭委員の話は妥当かと思います。
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○ |
平井所長(国土交通省和歌山工事事務所所長) |
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いろいろあります。この委員会での傍聴者からの意見聴取は次回からの審議の参考にするという目的でございましたので、本日、いろいろ言われて、我々でご意見をお返しする部分が多々ございますので、次回に整理してご説明させていただきたいと思います。
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○ |
中川委員長 |
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それでは、よろしゅうございますか。
傍聴者の皆さんからいただいたご意見、これは前回と同じように次回の議事といいますか、その審議の最初にお答えをするということでよろしゅうございますか。それでご了解願いたいと思います。
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○ |
岩畑委員 |
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本日は、利水と環境についての補足資料を持ってきています。ただ、時間の関係上、配付してご説明するわけにはいきませんので、次回必ず冒頭でも配付、説明させていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
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○ |
中川委員長 |
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はい、どうぞ。
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○ |
岩畑委員 |
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よろしくお願いします。
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○ |
中川委員長 |
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以上ですが、ほかに何かございますでしょうか。
委員長の不手際ということで、1時間近く超過いたしましたが、これで第6回の紀の川流域委員会を終了させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
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○ |
庶務 |
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長時間にわたりまして審議、どうもありがとうございました。
これにて第6回紀の川流域委員会を終了いたします。御苦労様でした。傍聴者の方も長時間、御苦労様でした。
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