地震発生から約8ヶ月後の焼ヶ原地区
(平成7年9月)
平成7年1月17日におこった兵庫県南部地震で、六甲山地では山の斜面崩壊や地割れが多数発生しました。その後の雨によってくずれた所はさらに増え、その数は1000ヶ所以上にも達しています。
また、地震によってゆるんだ地盤は、今後の大雨などによる土砂災害の危険性があります。このため、六甲山地を一連の樹林帯(グリーンベルト)として守り育て、土砂災害に対する安全性を高めるとともに、緑豊かな都市環境、景観などをつくり出そうという「六甲山系グリーンベルト整備事業」が開始されました。
この事業は、「六甲山系グリーンベルト整備に関する懇談会」(六甲山にさまざまな形でかかわりのある学識経験者やマスコミ、経済界、地域住民などからなる)からいただいた提言をもとに定められた「六甲山系グリーンベルト整備基本方針」(平成8年3月)に添って進められています。
※六甲山系グリーンベルト整備事業は、兵庫県の阪神・淡路震災復興計画(ひょうごフェニックス計画)でも大切な役割を担っています。
六甲山系グリーンベルトの区域
事業の対象区域は、神戸市須磨区鉢伏山から宝塚市岩倉山までの、六甲山系の南側斜面。とくに、まちに直接的に土砂災害の被害をおよぼす可能性のある斜面では、積極的な整備を行います。
平成17年度3月現在
都市計画への位置づけ
兵庫県と関係4市(神戸市・西宮市・宝塚市・芦屋市)により、事業対象区域のうち、とくに積極的な取り組みが必要な、市街地に面する斜面が「防砂の施設」および「緑地保全地区」として都市計画決定され、平成10年7月31日に告示されました。
「防砂の施設」とは、土砂災害を防止するための取り組みを行う区域のこと。また、「緑地保全地区」とは、都市の自然環境を守り、無秩序な市街化の防止などに役立つ緑地を保全する区域のことです。
具体的な整備の方法
六甲山系グリーンベルト整備事業は、従来の砂防えん堤を中心とする渓流工事に加えて、山腹工として砂防樹林帯の保全・育成を図ることにより、土砂災害を防止し、あわせて良好な都市環境の創出にも寄与しようとするものです。
山腹基礎工:斜面の土砂移動を防止するために、谷止め工や土留工等を実施します。
谷止め工
山腹緑化工
植栽工:植生の力による斜面の安定化を図るため、植栽工(植生導入等)を行います。
山腹階段工:植栽工と併用して、筋工、林間柵工等を実施します。
植生管理:樹林の効果を保つことができるよう、植生の維持管理を実施します。(植物の成長、遷移を助けるため、除伐、ササの駆除等)
六甲山系グリーンベルト整備事業の樹林整備において、目標とする樹林を成立させるために必要な調査及び整備・管理に関する基本的な考え方と技術的事項についてとりまとめ、樹林整備・管理作業に役立てるものとし、もって円滑で効率的な事業の実施を図れるようにすることを目的としています。
詳しくは、コミュニケーション活動の「みんなの森づくり」のコーナーでご説明しています。