警戒避難体制とは、土砂災害の被害を受けるおそれのある住民が、土砂災害を予知し、適切な避難行動ができる体制のことです。
六甲山地のように土石流、がけくずれ、地すべりなどの危険な場所が数多く、かつ混在している地域では、土石流への対策だけでなく、総合的な土砂災害対策が必要で、特に土砂災害がくりかえし発生すると予測される地域については土石流、がけくずれ、地すべりなどの総合的な土砂災害に備えて警戒避難体制の整備が必要となります。
このため六甲山地では、昭和59年からの「総合土石流対策モデル事業」を皮切りに、雨量観測所や情報伝達システムの整備、土砂災害危険箇所の公表などの事業をすすめています。
⇒ 観測した雨量は「防災情報」で公開しています。
土砂災害の可能性が高い場所には、危険地域であることを示す看板を設置しています。
六甲山地の土砂災害危険箇所数 | |
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土石流危険渓流 | 約650ヶ所 |
地すべり危険箇所 | 約10ヶ所 |
急傾斜地崩壊危険箇所 | 約390ヶ所 |
合 計 | 約1,050ヶ所 |
土砂災害危険箇所には「土石流危険渓流」「地すべり危険箇所」「急傾斜地崩壊危険箇所」の3種類があり、これらを合わせると六甲山地には約1,050ヶ所、全国では約18万ヶ所の危険箇所があります。自分の住んでいる近くには、どのような土砂災害の危険があるかが、この看板でわかります。
「土石流危険渓流」
上流の渓流が約15度以上の急勾配で、その渓流内には多量の不安定な土砂があり、かつ上流に広い集水面積を持っている渓流が土石流の発生する危険性がある渓流です。
このうち1戸以上の人家もしくは公共施設、病院・社会福祉施設等に被害を生ずる恐れがある渓流が「土石流危険渓流」です。
「地すべり危険箇所」
地すべりを起こしている、あるいは地すべりを起こす恐れがある区域のうちで、河川、公共施設、人家等に損害を与える恐れのある箇所が「地すべり危険箇所」です。
「急傾斜地崩壊危険箇所」
傾斜度30度以上、高さ5m以上の急傾斜地(がけ)で、その斜面が崩れた場合に被害が出ると想定される区域内に、人家が5戸以上(5戸未満でも公共施設等のある場合を含む)ある箇所が「急傾斜地崩壊危険箇所」です。