上流の両岸の崖は崩れ落ち、川沿いの道路も各所で崩壊しました。大谷橋・落合橋は流出し、この周辺から下流部に行くに従って洪水による被害が拡大しました。
合流点の下流にある湾曲点で崖を削り取り、さらに下方で大きく氾濫しました。従って、この付近から阪急線の下流周辺までの被害は極めて甚だしく、上流から流下してきた土石に樹木や家屋が埋もれました。
線路上に堆積した土砂は厚さ3m近くに及び、押し流されてきた岩石は大きなもので1.5m角のものさえありました。12〜15cmの石が最も多く、周辺は岩石、小石、土砂が大量に堆積しました。中には、家屋の鴨居まで達するような場所もありました。
住吉川本来の流路は土砂で埋まり、国道までの間には大きな岩石が散乱しました。一方、国道より南は、上流の決壊によって水流が減少したため、大量の土砂のみが堆積しました。
阪急線付近でせき止められた住吉川の流れは、東西に流れ出しました。東の天上川からあふれ出た水も合流し、住吉から魚崎、青木一帯に濁流が溢れ、扇状に被害地域が広がりました。