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旧洗堰(奥)と建築当時の新洗堰(手前) |
瀬田川洗堰は、昭和36年3月に完成した本堰と、琵琶湖開発事業の一環で平成4年3月に完成したバイパス水路からなっています。
現在の洗堰は、昭和36年に完成し「瀬田川洗堰」と呼ばれています。さらに平成4年には本堰の横にバイパス水路も完成しました。古い方の南郷洗堰は、大きな角材を人力で上げ下ろしして水門の開閉をしたため、水門全部を開けるのに1日、全部閉めるのには2日もかかりました。一方、新しい瀬田川洗堰では、水門全部を開けるのも全部閉めるのも30分※しかかかりません。しかも、本堰は2段式ゲート、バイパス水路は3段式ゲートなので、より細かな調節ができるようになりました。
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瀬田川洗堰の流量調節の基本は、ゲートの越流により行っています。「ドン付」という本堰ゲートの状態は、越流状態で最大流量を放流するもので、上段扉、下段扉を河床に付けた状態をいいます。「全開時」というのは、ゲートの上段扉、下段扉を水面上に引き上げた状態で、この状態での瀬田川は自然流下となっています。 |
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 |
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 |
瀬田川洗堰はゲートの門扉の上を水が越えて流れていく方式なので、琵琶湖の水位がマイナス1.00m以下になると、正確な流量の調節はできませんでした。
そこで、渇水時に水位が下がっても正確な水の量を流せるように本堰の横にバイパス水路をつくったのです。このバイパス水路によって、マイナス1.50mの水位まで琵琶湖からの流量を調節し、水が利用できるようになりました。 |
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●新旧洗堰の比較 |
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門数 |
通し巾 |
門扉 |
操作方法 |
操作時間 |
旧洗堰 |
32門 |
12尺
(約3.6m) |
角材 |
人力 |
全開24時間
全閉48時間 |
新洗堰 |
10門 |
10.8m |
銅製2段式
ローラーゲート |
電力遠隔
自動制御 |
全開30分※
全閉30分※ |
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※注釈:機械設備の能力です。実際には上・下流の安全を図りつつ流量の変更を行うため数時間程度かかります。
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