キトラ古墳周辺地区について
昭和58年に壁画が発見されたキトラ古墳は、その後の調査により星宿図や四神の精緻な壁画が確認されるなど学術上極めて価値の高い文化財として平成12年11月24日に特別史跡指定されるなど、高松塚古墳に匹敵する飛鳥の枢要な文化財です。
本遺跡をその周辺の自然環境や田園環境とあわせて一体的に保全するとともに、広く国民が利用できる空間として整備する必要があるため、平成13年3月16日に閣議決定「飛鳥地方における歴史的風土及び文化財の保存等に関する方策の一環としての都市公園の整備について」が行なわれ、飛鳥地方の歴史的風土及び文化財の保存等に関する方策の一環として、キトラ古墳周辺地区が 国営飛鳥歴史公園の一部として約14haの面積で整備することが決定されました。
キトラ古墳周辺地区の位置
位置:奈良県高市郡明日香村大字檜前、大字阿部山、及び大字大根田
面積:約13.8ha
キトラ古墳について
キトラ古墳は高松塚古墳から南へ約1.2kmの大字阿部山に位置する終末期古墳です。 直径13.8m、高さ3.3mの小さな円墳で、高松塚古墳とほぼ同大同型の石室で、北の壁に玄武、東に青龍、西に白虎の壁画が描かれ、天井には天文図の壁画が確認されており、現存するものでは東アジア最古の天文図であるといわれています。 現在、文化庁において壁画の修復保存のための作業が進められています。
■キトラ古墳年表
- 1972年3月
- 明日香村の高松塚古墳で極彩色の壁画を発見
- 1983年11月
- (1次調査)玄武を確認
- 1998年3月
- (2次調査)小型カメラで青竜、白虎、天井に星宿図を確認
- 2000年7月
- 国史跡に指定
- 2000年11月
- 特別史跡に指定
- 2001年3月
- (3次調査)デジタルカメラで朱雀を確認
- 2001年12月
- (4次調査)天井の星は金ぱくを張り付けていることを確認
- 2002年1月
- 十二支の寅とみられる獣頭人身像を確認
- 2002年6月
- 覆屋建設に伴う発掘調査で墓道を発見
- 2003年8月
- 覆屋完成
- 2004年7月
- 石室床面の発掘調査終了、人骨や副葬品の一部などを発見
- 2004年8月
- 壁画保存のためのはぎ取り準備開始
- 2005年5月
- 「白虎」はぎ取り
- 2005年12月
- 「玄武」はぎ取り
檜隈寺について
檜隈寺は7世紀に建立された東漢氏の氏寺で、飛鳥・白鳳文化の諸寺院のなかでも帰化人の経営になるものとして特徴的な寺院でした。 現在は、於美阿志神社が立地していますが、これまでの調査で、中門跡、塔跡、講堂跡と推定される遺構と礎石が発掘され、伽藍配置をなしていたことが解明されています。
■檜隈寺跡年表
- 1969年
- 十三重塔の解体修理
- 1979年
- 礎石・基壇化粧材の発見
- 1980年
- 金堂跡の発見
- 1981年
- 伽藍様式の確認
- 1982年
- 門、東回廊跡の確認
- 1986年
- 寺域範囲の確認
- 2003年
- 国の史跡として指定