国営飛鳥歴史公園の概要
“日本人の心のふるさと”を目指して
国営飛鳥歴史公園は、我が国古代の政治と文化の中心地として栄えた飛鳥地方において、その豊かな自然と文化的遺産の保護、活用を図る一環として、「日本人のこころのふるさと」をテーマに、国土交通省によって整備された公園です。
本公園では、より多くの方が飛鳥を訪れ、その豊かな自然と深い歴史を感じ取っていただけるよう、周辺の史跡や田園景観と調和した整備を行っています。現在は5つの地区で構成され、年間 80 万人以上の方に来園いただいています。
■広域位置図
■位置
奈良県高市郡明日香村
■開園面積
- 祝戸地区
- 7.4ha
- 石舞台地区
- 4.5ha
- 甘樫丘地区
- 25.1ha
- 高松塚周辺地区
- 9.1ha
- キトラ古墳周辺地区
- 13.6ha
- 開園面積合計
- 59.9ha
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飛鳥観光の代表的な場所でもある石舞台地区
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稲渕の棚田を望む祝戸地区
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展望台から飛鳥地方を一望できる甘樫丘地区
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高松塚古墳を有する高松塚周辺地区
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飛鳥の新しい観光拠点となったキトラ古墳周辺地区
日本の“古都”飛鳥と国営飛鳥歴史公園
明日香村は村内全域が古都法による歴史的風土保存地区、風致地区などに指定された“日本の古都”です。
数多くの宮跡・寺社跡・古墳などの遺跡を有し、暮らしの営みの中で受け継がれている飛鳥の風景は、訪れる人に感動を与えます。平成19年には「飛鳥・藤原の宮都と関連資産群」が世界遺産の暫定リストに登録、平成22年には「奥飛鳥の文化的景観」が国の重要文化的景観に選定されるなど、近年“古都”飛鳥の価値はますま高まっています。
国営飛鳥歴史公園は、飛鳥の豊かな自然と文化的遺産の保護、活用を図る一環として、国土交通省によって整備されている公園です。開園以来、飛鳥の風土や景観と調和した整備を図るとともに、地域の方々や飛鳥ファンとともに魅力ある公園づくりに取り組んでいます。
訪れる人に「公園」と「飛鳥」を一体に感じていただけるよう、本来の地形を活かしながら、フェンスや柵、大きな看板などは設けず、自然素材を用いるなど周辺の景観に溶け込むよう配慮しています。
地域の方々との協働による森づくり活動を母体に誕生した公園ボランティア「飛鳥里山クラブ」。現在は約 300 名が参加し、飛鳥の歴史的風土を楽しく学び、守り、育むための活動に携わっています。
*古都法:正式名称は、『古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法』といい、奈良や京都、鎌倉など日本を代表する古都の歴史的・文化的遺産と、それらと一体となった自然的環境のすべてを「歴史的風土」と捉え、その風土・環境を開発の波から守ることを目的として、昭和 41 年に公布・施行された法律です。
各地区の概要
国営飛鳥歴史公園は、奈良県高市郡明日香村に位置しており、祝戸地区、石舞台地区、甘樫丘地区、高松塚周辺地区、キトラ古墳周辺地区の5地区からなります。いずれの地区もそれぞれの地形や眺望、植生、立地条件、隣接する古墳や遺跡などの資源を活かしながら、周辺の風土・景観と調和するように整備を図っています。また、明日香村内の史跡や拠点施設を巡る「周遊歩道」と一体的に利用され、飛鳥周遊のネットワークを形成しています。
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甘樫丘地区
国営飛鳥歴史公園の北のエントランスとなる地区。大和三山を望む展望の地であり、「万葉植物園路」での散策も楽しめます。
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石舞台地区
憩いと賑わいの拠点となる地区。蘇我馬子の墓と伝えられる石舞台古墳を中心に、棚田の地形を活かした芝生広場が広がります。
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高松塚周辺地区
古代飛鳥人の姿が蘇る、極彩色の壁画を持つ高松塚古墳を抱える地区。情報案内施設「国営飛鳥歴史公園館」や「高松塚壁画館」があります。
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祝戸地区
美しい棚田の風景が楽しめる、奥飛鳥への玄関口となる地区。地区内には、休憩や集会などにも利用できる宿泊研修施設「祝戸荘」があります。
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キトラ古墳周辺地区
五感を使って楽しみながら飛鳥の歴史や文化、風土について学ぶ「体験的歴史学習」を展開します。平成 28 年 9 月に開園しました。