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2002年7月発行
紀の川流域委員会ニュース No.9
第9回紀の川流域委員会 議事骨子
第9回紀の川流域委員会の議事骨子については次のとおりです。
平成14年6月12日
第9回紀の川流域委員会 議事骨子
委員長 中川博次
第9回紀の川流域委員会は4月25日(木)JA会館(和歌山市内)において全委員23名中21名の出席のもと実施された。
1.紀伊丹生川ダム建設計画について(報告)
河川管理者から
紀伊丹生川ダム建設事業に関する経緯
紀伊丹生川ダム建設事業審議委員会意見
見直し案の考え方
見直し結果
検討結果
について説明があり、今後の対応方針として「紀伊丹生川ダム建設事業を河川整備計画のメニューとして提案しない」と報告があった。
報告に対する主な質問等は次のとおり。
事業評価監視委員会には、紀伊丹生川ダム建設計画の治水も利水も含めて諮るのか。
⇒ダム事業についての評価を頂く。
水需要の減少は以前から分かっていたことである。河川管理者はダムの必要性を治水面から必要と「Duet」で主張していたが、今後、治水対策はどうなっていくのか。
⇒今回の検討結果は、紀伊丹生川ダム建設事業審議委員会(以下、「ダム審」という)での2つの付帯意見に対していろいろ調査検討を行い、総合的に判断した。治水対策については流域委員会で検討いただきながら考えていきたい。
文化財の扱いについて、個々に判断するのではなく、全体を文化的景観として評価すべきであり、これまでの評価は不十分であったと思う。
ダム中止には非常に喜んでいる。委員会にとっては早い回答が得られたのはありがたい。
ダム審の答申では環境は重要であるが、治水・利水の効果の大きさから見てやむなく建設が妥当であるとの判断をしている。
和歌山県審議委員会にダム審以前から環境の重要性に対して請願・嘆願に伺っているが、それに対し、国土交通省の回答はなかった。
「Duet」第1号で治水でダムが必要とうたっていたにも関わらず、紀伊丹生川ダム建設計画の記者発表では、治水に対する意見は発表されていない。さらに、地元の反対意見は全く関係ないと発表しているが、それはどういうことか。
⇒治水について重要ということは認識しており、委員会の委員の方々の意見を聴いて、十分な対応策を検討していきたい。
前回の委員会で「ダム計画の見直しを発表する」と言っておきながら、紀伊丹生川ダム中止の発表があるのはどういうことか。
⇒調整の経過については、ここでは控えますが、ダム計画の見直しを検討した結果、事業継続が困難であるということを本日報告させて頂きました。事業の取り扱いは事業評価監視委員会に諮る手続きを踏みます。水没予定されていた方々には誠意を持って、説明をさせていただきます。また、発言内容について誤解を与えてしまったのであればお詫びします。
紀伊丹生川ダム建設が中止となったが、利水については、どういう形で対応するのか。
⇒今後、和歌山県や大阪府と協議していき、この委員会で議論することも考えられる。
紀伊丹生川ダムは今後の河川整備計画のメニューとして取り上げないことが、委員会としても了解される。
2.紀の川流域委員会勉強会運営方針(案)について
中川委員長から紀の川流域委員会勉強会運営方針(案)について説明があり、審議された。
主な意見等と審議結果(「→」)は次のとおり。
(組織及び運営)について
委員の定足数は設けないということになっているが、定足数を設けなくてもよいのか。
→あくまで工事実施基本計画に対する専門的な理解を深めるための勉強会であるため、採決するということはないので定足数を設ける必要はない。
委員以外の治水の専門家の出席を認めるべきである。(委員から事前に提案された意見)
お互いの違った意見が培われないと良いものが見えてこないと思うので専門的な有識者の参加をお願いしたい。
→「勉強会が必要と認めた場合、委員以外の専門的な知識を有する者に出席を求めることができる」を追加する。
(座長)について
→委員長の指名により、座長を養父委員に決定。代理は座長が指名することになった。
(情報公開)について
勉強会は、公開してほしい。
不信感を招くので、運営方針には、「公開・非公開」の記述は必要ないと思う。
委員会が公開であり、勉強会の結果は委員会で報告されるので、勉強会は運営案の通り非公開で出発し、必要に応じて修正を加えればよいのではないか。
忌憚のない議論等ができるので非公開にしてほしい。
公開にすると場所の設定が困難である。
勉強会は、一般の方々が勉強する場ではなく、あくまでも委員会の効率的な進行を補足するものである。
→勉強会は非公開とするが、運営方針には「勉強会は非公開とする」とは明記しない。
(その他)
勉強会で聞きたいことについては、事前に庶務宛に提示する。
3.一般傍聴者からの意見
河川管理者から紀の川河川整備計画について説明があった。
説明に対する主な意見等は次のとおり。
築堤の高さは上・中・下流ですべて同じなのか。
⇒堤防高は計画高水流量に応じ、計画高水位に余裕高を加えており、すべて同じではない。
掘削を行っても土砂堆積があるのでどのくらいの周期で維持管理をする必要があるのか。
⇒大々的な河道掘削を行ったことはないが、河道状況の把握については、5年周期で定期縦横断測量を行い、河道変化等は把握している。
岩出・藤崎・小田井堰は改築しないのか。
⇒今回の提示資料では、改築に対する綿密な計算は行っていない。
洪水時の計算は、井堰のゲートを全開にして行っているのか。
⇒ゲートは全開で計算しているが、固定部はそのままである。
掘削は手軽な対策であるが、すぐに堆砂するのであれば問題である。従って、土砂の問題についてもよく検討して欲しい。
掘削・築堤延長は対象洪水毎に変わっているが、どのように設定しているのか。
⇒対象洪水規模毎に流出解析を行い、必要なところに必要なものを設定している。
下流は築堤と掘削をしてもあまり効果がないが、どのような対策があるのか。
⇒狭窄部の改修を行うことが考えられる。
築堤と掘削以外に遊水地として担保出来る場所があれば検討していただきたい。
⇒今回は、築堤及び掘削を行った場合について示している。目標流量が決定すればこれら以外の対策案についても検討していきたい。
岩出狭窄部は景勝地であるが、それでも開削する方がよいのか。
⇒治水・環境からみて実行可能かどうか検討すべきであると認識している。
紀の川が氾濫しなくても市街地の河川で氾濫がおこっているので、流域の市町村に防災に強いまちづくりを進められるような提案をしてほしい。
自然破壊型の対策ではなく、遊水地等の自然と共存する対策を考えなければならないと思う。
遊水地に関する資料として、用途地域の資料を用意してほしい。
4.次回の開催について
中川委員長から次回の紀の川河川整備計画の進め方について説明があった。
主な内容は次のとおり。
具体の治水対策を行った場合に、環境上どのような問題が起こるのか提示する。
対象洪水規模については、基準(伊勢湾台風実績)となる対象洪水について、具体的な課題を提示し、その上で目標とする計画規模を決定する。
次回の委員会の開催日等は次のとおり。
開催時期は、7月下旬で調整する。
開催場所は、橋本市内とする。
勉強会の開催日等は次のとおり。
開催時期は、次回委員会前後で調整する。
開催場所は、和歌山市内とする。
5.次回の開催について
過去に議事録で発言の抹消があり公開の意味がなくなっている。
再度議事録の確認をさせていただきますが、議事録については、都合のいいように抹消や改ざんはしていないので、必要があればテープをお渡しします。
6.一般傍聴者からの意見
ダムに替わる対策がどうなるか教えてほしい。
旧遊水地は堤防が出来て宅地化されているが、行政はどのような指導を行っているのか教えてほしい。
なるべく自然を残しながら必要最小限の改修を行ってほしい。
河川審議会での答申に基づいて忠実に洪水との共存を図る対策を行ってほしい。
勉強会に流域住民も参加させてほしい。
洪水を川に閉じこめるのではなく、総合治水の考え方があるので、複数の専門家の意見を聞いてほしい。
⇒:委員どうしによる議論等
→:河川管理者回答
:紀の川流域委員会庶務回答
この議事骨子は、委員会終了後に速やかに審議内容が公開できる様に取りまとめたものです。従って、今後議事の詳録を作成する上において、修正等が加わることがありますが、その際は、ホームページ上で修正箇所等を明らかにした上で再掲載を行いますのでご了承下さい。
次回、第10回紀の川流域委員会は、7月下旬に橋本市で開催される予定です。詳細は、決定次第ホームページに掲載します。
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