―平成 20年度―

■西田井ワンド鳥類調査結果・速報(秋の渡り期)

  1. 調査実施内容 表 1調査実施内容

  2. 調査方法

調査項目 調査年月日 調査時間 天候 日の出時刻
秋の渡り期調査平成 20年 10月 8日6:50~11:00 晴れ 5:59
  1. ラインセンサス法 設定された調査ルート上を時速1 km程度の早さで歩き、確認される鳥類を記録した。

  2. 定点記録法 設定された計 4定点から 30分間ずつ観察を行い、確認される鳥類を記録した。

3.調査結果

●今回の調査によって、12目 21科 34種の鳥類が確認された。
●ワンドの浅い水域や水面では、バンやカワセミの採餌や探餌が見られた他、カイツブリやカルガモ、コガモの休息が見られた。
●確認種のうち重要種は、ミサゴとハチクマ、オオタカ、アリスイの 4種が該当する。ミサゴは、ワンドから本流上空を探餌しながら飛翔し、一度本流側へのハンティングが見られた。ハチクマは、上空やや高いところをトビと一緒に旋回していた。渡り途中の個体と考えられる。オオタカは、ワンド最下流部を低空で飛翔する成鳥と、本流との境の砂州にあるヤナギの横枝にとまって休息する幼鳥が見られた。アリスイは、高水敷にあるクズ群落内のオオブタクサにとまっていた。渡り途中の可能性が高い。
●秋の渡り期で、渡り途中と考えられるハチクマやノビタキ、エゾビタキが確認された。アリスイやビンズイも渡り途中と思われるが、越冬の可能性もある。
  1. 西田井ワンドの風景

  2. 確認された主な鳥類

アリスイノビタキハクセキレイ

表2 西田井ワンドで記録された鳥類(秋の渡り期・081008)

No.目名科名和名重要種の選定基
1カイツブリカイツブリカイツブリ
2ペリカンカワウ
3コウノトリサギダイサギ
4アオサギ
5コサギ
6カモカモカルガモ
7コガモ
8タカタカミサゴ NT NT 2
9ハチクマ NT NT
10トビ
11オオタカ保存 NT VU
12キジキジキジ
13ツルクイナバン
14チドリシギイソシギ
15ハトハトキジバト
16ブッポウソウカワセミカワセミ
17キツツキキツツキアリスイ 2
18スズメヒバリヒバリ
19ツバメツバメ
20コシアカツバメ
21セキレイキセキレイ
22ハクセキレイ
23セグロセキレイ
24ビンズイ
25タヒバリ
26ヒヨドリヒヨドリ
27モズモズ
28ツグミノビタキ
29エゾビタキ
30ホオジロホオジロ
31ハタオリドリスズメ
32ムクドリムクドリ
33カラスハシボソガラス
34ハシブトガラス
合計 12目21科34種1 3 3 2

(和名・配列は、「日本鳥類目録改訂第6版(日本鳥学会、2000年)」に準拠した。)

1重要種の選定根拠
①「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」で「国内希少野生動植物種」に選定されている種
②「レッドリスト鳥類」(平成18年12月改訂版、環境省)の掲載種EX:絶滅、EW:野生絶滅、CR:絶滅危惧ⅠA類、EN:絶滅危惧ⅠB類、VU:絶滅危惧Ⅱ類、NT:準絶滅危惧、DD:情報不足、LP:絶滅のおそれのある地域個体群
③「保全上重要なわかやまの自然」(和歌山県環境生活部、平成13年3月)の掲載種EX:絶滅、CR:絶滅危惧ⅠA類、EN:絶滅危惧ⅠB類、VU:絶滅危惧Ⅱ類、NT:準絶滅危惧、DD:情報不足、SI:学術的重要、LP:絶滅のおそれのある地域個体群
④「近畿地区・鳥類レッドデータブック」(江崎保男・和田岳 編著、平成14年)の掲載種ランク1:危機的絶滅危惧、ランク2:絶滅危惧、ランク3:準絶滅危惧