幹線共同溝

4.共同溝の役割

そのような弊害を解消し、激増する自動車交通に対処するため、路面の掘削を規制し、道路に占用する各公益物件(電話・電気・ガス・水道・下水道等)を効率的、機能的に整理集約し、安全に保護するとともに「道路交通の保全と円滑な道路交通の確保」を図ることを目的とした「共同溝整備等に関する特別措置法」(昭和38年4月1日)が制定されました。

共同溝整備事業は、道路管理者が地下に設ける恒久的な道路付属物として、公益物件の将来計画を勘案しながら整備するもので、先の阪神淡路大震災でも証明されたように、ライフラインの防災面からも大きな期待が寄せられています。
1.道路の掘り返しを防止します
電話・電気・ガス・水道・下水道など、ライフラインの掘り返し工事が行なわれるたびに道路が傷められ、同時に交通渋滞や騒音が発生する原因にもなっています。共同溝の整備によって、頻繁な道路の掘り返しがなくなり、良好な市民生活が確保できます
2.災害から街を守ります
電話線(光ファイバー)・電力ケーブル・ガス管・水道管・下水管などは、共同溝内のそれぞれ隔離された堅固な鉄筋コンクリートのボックスに収納されています。そのため、阪神・淡路大震災でも基本的には安全性が再確認されたように、規模の大きい地震による災害時でも、その影響は最小限に食い止められます。

また、これまでのように地下に直接埋める[v]よりも管やケーブルが傷みにくく、ライフラインの収納状況がひと目で識別できるほか、水漏れやガス漏れを自動的に通報する装置なども設置されるため、維持管理が安全・確実に行なえます。
3.道路空間を有効に利用します
電話・電気・ガス・水道・下水道などのライフラインは、これまでは歩道や車道の下に別々に埋設されていました。共同溝の整備によって、これらを整理・統合して収容でき、電線共同溝(C・C・BOX)整備では電柱をなくし歩道の表面を美しく保つことはもちろん、地下空間を有効に、さらにより高度に利用することができるようになります。