1. |
予定価格は、ある仕様のものを調達する場合に支払ってもよい費用の上限額の意味合いをもっています。仕様が異なれば支払ってもよい費用の上限は当然異なるため、予定価格の算定にあたっては、まず調達するものの仕様を決定する必要があります。 |
2. |
従来、公共工事においては、発注者が最善の仕様を決定できるとの前提の下で、発注者が構造物の仕様を決定し、これに基づき施工方法等も勘案しながら予定価格を算定し、工事発注を行ってきました。 |
3. |
しかし、最近になり、民間技術力の飛躍的進歩、価格と品質で総合的に優れた調達を目指す国際的な潮流等を踏まえ、入札・契約にあたって民間から技術提案を求める方式の試行が進められています。例えば、設計・施工一括方式においては、設計部分も含めて施工会社等から技術提案を求めるもので、民間から仕様に関する優れた提案を求めようとするものです。 |
4. |
このような場合においては、それぞれ提案ごとに仕様が異なることとなる。仕様が異なれば支払うことが妥当な費用も当然異なってくるため、それぞれの提案について、提案された仕様とそれに要する費用を審査し、価格と性能の両面で総合的に最も優れた提案を採用できるように予定価格を定める必要があります。 |
5. |
しかし、現状においては、民間から技術提案を求める場合においても、民間から技術提案を求める前の段階で過去の標準的な事例を参考に予定価格が作成され、これを上限として入札が行われており、費用を固定して一方的に性能の向上だけを求めることとなるため、民間企業から優れた技術提案を得ることが困難な状況となっています。 |
6. |
このような状況を踏まえ、本法律では、民間能力の活用により価格と品質で総合的に優れた調達を実現するため、技術提案を求める場合において、それぞれの提案について提案された仕様とそれに要する費用を審査し、価格と性能の両面で総合的に最も優れた提案を採用することができるように予定価格を作成できることとしたものです。 |