1. | 公共工事の品質は、調達時点で品質を確認できる物品とは基本的に異なり、受注者の技術力により左右される特性を有していることから、その品質を確保するためには、個々の工事の特性に見合った適切な技術力を持つ企業を受注者として選定することが必要不可欠です。 |
2. | 国土交通省や多くの都道府県等では、入札前の段階で競争に参加しようとする者の技術的能力の審査も含めて資格審査を行っていますが、一部の地方公共団体においては、入札前ではなく、入札後に資格審査を行っていることは知られています。 |
3. | 公共工事の品質の特性に鑑みれば、技術的能力の審査が行われ、個々の工事の特性に見合った適切な技術力を持つ者が受注者として選定されるのであれば、入札後であろうが否定するものではありません。 |
4. | しかしながら、技術的能力がない企業を競争に参加させることが、かえって不良不適格業者の競争への参加を促し、ダンピングを招く恐れもあることから、入札前の段階で技術的能力の審査を含めた資格審査を行うことが適当であると考えられます。 |
【入札後に行った方が、審査の手間が省けるので良いのではないでしょうか?】
5. | ご指摘のように、入札前の審査は競争に参加しようとするすべての企業の審査を行う必要があるのに対して、入札後であれば価格と品質で最も優れた申し込みを行った者から順に審査を行い、資格を満たす者を契約者とすればよいことから、入札後の方が審査の手間は省略できると考えられます。 |
6. | しかしながら、入札後の資格審査では、十分な技術的能力を有しない企業や不良不適格業者の競争への参加を促し、ダンピングを招く恐れもあることから、入札前の段階で技術的能力の審査を含めた資格審査を行うことが適当であると考えられます。 |